1982年夏、オランダ・ナショナル・ユース・オーケストラのツアーに同行した4名がローマで行なったコンサートに成功したのがきっかけで結成されました。1988年にリリースされた、ラプソディ・イン・ブルーと展覧会の絵を録音したCDは EMI からリリースされ、オランダの若手による優れた録音に対して送られる「Edison Awrad」を受賞しました(残念ながら、このアルバムは現在入手不可です。復刻してくれー)。国内外のリサイタルを始め、ラジオ・テレビ出演も積極的に行ない、また多くの作曲家にオリジナル作品を委嘱する一方、数々のクラシック作品の編曲をレコーディングしたり、ピアソラ・ブームの遥か以前からトリビュート・コンサートを開くなど、自由奔放な活動を行なっています。また、テナーのボーンカンプは、ソロ活動も活発に行なっています。
1995年来日時のサントリー小ホールでのコンサートでは、委嘱初演作品を除いてすべて暗譜で演奏し、体全体で音楽を表現していました。楽屋でほんの少しだけメンバの話をうかがったのですが、言葉の端々から音楽を演奏する悦びが溢れていたのが印象的です。
2000年まではアルト奏者はAndré ARENDSでしたが、現在はボーンカンプの弟子にあたるニールス・ビールがアルトを担当しています。
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3曲ともフランスの弦楽4重奏の編曲という、なんとも挑発的なプログラムです。が、おそらく本人たちは演奏するのが楽しくてしかたがないのでしょう。高音の音程がアヤシイところが何カ所かありますが、そんなことは大きな音楽の流れの中ではあまり気になりません。ルーセルは、原曲でも滅多に聴くのできない曲ですが、ユーモアにあふれた楽しい曲です。なお、ドビュッシーをレパートリにしているSQはいくつかあり、アルモSQの完成度の高い演奏やザグレブSQの端正な演奏もと聴き比べるのもおもしろいでしょう。
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前作から一転して、フランスのオリジナル作品を集めたアルバムです。技術的には詰めの甘いところも少なくないのですが、どの曲にも真っ正面から取り組んでいるところに好感を持ちます。楽譜上のアクセント一つとっても、そのアクセントの意味を一生懸命考え、音にしている様子が音を通して伝わってきます。技術的にこの演奏を上回る演奏はいくらでもありますが、表現意欲の点でこれを上回る演奏はありません。もうこの曲は飽きるほど聴いたよー、という方こそ、ぜひこのCDを聴いてみてください。いろいろな発見があるはずです。
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