1986年に結成のデンマークの団体。バロックからグラズノフ・フランセといったフレンチ・スタンダード、ドビュッシーからピアソラまでレパートリは幅広いですが、特に現代音楽を得意としており、下記以外にも「Contemporary Works for Saxophone Quartet」というアルバムを発表しています。セルマーの楽器・ヴァンドレンのリードを使用しており、今度はフランスものを演奏したのを聴いてみたいです。
バリトンのペーア・エイホルムは、1958年コペンハーゲンの生まれ。ソロ活動も積極的に行なっており、Kontrapunkt レーベルからソナタ集のソロアルバムをリリースしています。このアルバムは未聴ですが、ソプラノからバスまでを吹きこなしているようです。また、Barok-Sax-Duoというデュオ活動も行なっています。
テナーのENGHOFFはコペンハーゲンの生まれですが、ロサンジェルスで音楽理論を学び、ジャズ奏者としても活動しています。なお、1998年に脱退しコペンハーゲンSQを設立しました。(現在はトルベン・スネケスターがテナーを担当。)
ソプラノのヨーアン・ボウエはデンマーク国立音楽院を卒業後、フランスに渡り、ジャン=マリー・ロンデックスとダニエル・デファイエに師事しました。現在はデンマーク国立音楽院で教鞭を執っています。
アルトのクリスチャン・ホウゴーもコペンハーゲンの生まれ、デンマーク国立音楽院を1991年に卒業しました。このアンサンブルの創設当時はまだ学生だったことになります。
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kontrapunktからリリースのピアソラ集、ということでちょっと期待して買いましたが、正直なところ大ハズレ。タンゴの歴史はいきなりミストーンを連発しているし、全体にアーティキュレーションが乱暴で音楽としてのまとまりが感じられませんでした。しかし、タンゴの歴史は、よく演奏される Voirpy の編曲ではなくおそらく独自の編曲で演奏されていたり(と書きましたが、Voirpyによる編曲を使ってるようです。失礼しました)、ピアソラ最晩年のアルバムからのザ・ラフ・ダンサー・アンド・サイクリカル・ナイトが演奏されていたり、と、一癖あるアルバムです。
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フーガの技法から、20曲を抜粋したもの。同様の企画盤にロサンジェルスSQやベルリンSQのものもありますが、一番気に入っているのはこのアルバムです。ピアソラ集の演奏の荒さには驚きましたが、このアルバムではかなり雰囲気が違うサウンドになっているのにびっくり。響きそのものが美しいので、最後まで聴き疲れしませんでした。やや癖のある処理もしていますが、まあ許される範囲かな。最後が、ねぇ。ええ、問題は最後です。
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前作に続いて、バッハの大曲への挑戦。「ゴルトベルク変奏曲」の、アリアと30の変奏をすべてサクソフォン4本で取り組んでいます。バロックの奏法を研究したフシもあり、素朴ながらも興味深い演奏です。ライヴ録音ということもあってか、技術的に若干不満を感じる点があったり、音楽のベクトルが統一がもう少しかな?と感じたりした箇所もありますが、まずは果敢な挑戦に拍手を送りたいと思います。
なおここで使われたフランチェスコ・フレデリコ・ヴェヌルッチによる編曲譜は、Kontrapunkt より Available とのこと。ぜひ、日本の団体でも挑戦してほしいものです。
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