アルモ「HARMO」は、フランス語の「Harmonieux」に由来し「調和のとれた耳に心地よい響き」を意味してます。トルヴェール・クヮルテットと並んで日本を代表するサクソフォン4重奏団といってよいでしょう。トルヴェールが若さを武器にぐいぐい進んでいく音楽を拓いていくのに対して、アルモはチームワークの良さ、ほのぼのとした音楽が得意のようです。1992年にテナーのメンバが変わりましたが、音楽の造りはまったく変わっていません。
1982年結成、翌年よりリサイタルを開き、1984年には宮城フィルハーモニー(現仙台フィル)と競演しています。1986年第21回民音室内楽コンクールでサクソフォンとして初めて優勝、同時にルフトハンザ賞を受賞しました。1988年・1992年にはワールド・サクソフォン・コングレスにも出演しています。
リーダでソプラノの中村氏については、彼のページをご覧ください。
アルトの遠藤氏は1983年国立音楽大学を卒業、武岡賞を受賞。1987年には日本管打楽器コンクールに入選。渡辺邦夫・大室勇一各氏に師事。ノワイエSEでもアルトを担当しています。
テナーの松雪氏はこちらをご覧ください。
バリトンの栃尾氏は1986年東京芸術大学を卒業、喜田賦・阪口新・冨岡和男の各氏に師事。現在聖徳大学短大音楽科・武蔵野音楽大学非常勤講師をつとめています。
下記にご紹介したアルバムの他、「Gershwin」については中村氏のページをご覧ください。
アマゾンでこのCDをチェック! |
CD第1作。どの曲も「アルモ流」に仕上がってます。バーレスクの茶目っ気、ベルガマスク組曲の推進力、ウェストサイド物語の叙情性もよいのですが、なんといってもアヴェ・マリアはすばらしい!歌心にあふれた演奏です。しかし、楽譜を見るとかなりムズカシイのよね、この編曲。サクソフォン・ファン以外の方にもオススメできるアルバムです。ベルガマスク組曲は、冨岡氏の編曲によるキャトゥル・ロゾーSEの録音と聴き比べるのも一興。
オススメ度:
アマゾンでこのCDをチェック! |
CD第2作。個人的には第1作の方が好きだなぁ。アルモはアンサンブルの統一感、よく練られた曲作りが長所だと思うのですが、このアルバムでは夢や浜辺の歌がツボにはまっていて楽しめました。一方、デザンクロのような攻撃的な(苦笑)曲だと、ちょっと物足りないです。シシリエンヌは演奏とならんで編曲も秀逸。
オススメ度:
アマゾンでこのCDをチェック! |
3作目は一転してフランスもの大曲が3つ。どれも気合いが入った演奏です。ドビュッシーは、サックスに置き換えるにはやはりちょっと無理があるかな、と思う部分もありますけど、健闘してますね。アウレリアSQとザグレブSQもこの曲を録音していますが、表現意欲ではアウレリアが上、完成度ではアルモが上、というところでしょうか。ドリーの愛らしさやベルノーの推進力は見事に表現されてます。アルモのオススメその2です。
オススメ度:
アマゾンでこのCDをチェック! |
第4作目は一転して小品集。クラシックのみならず、他のジャンルの曲も混じっています。炊き火の主題はいわゆるパロディ音楽なのですが、サクソフォン・ファンでないと面白さは半減するかも。カンティナ・バンドは市販の譜面を使ってますが、かなり手を入れて楽しい演奏になっています。ヴォーカリースやジムノペディ第1番は、原曲とは構成の違う編曲になっているので、好き嫌いが分かれるのではないでしょうか。(私はあまり気に入らなかったです)
オススメ度:
アマゾンでこのCDをチェック! |
第5作はピアソラ、上野耕路、ロベール、フランセ、サティ と個性的な作曲家の作品が並んでます。このうち、上野耕路とロベールの作品はは、アルモが初演を行なった曲で、どちらも説得力ある演奏に仕上がってます。欲を言えばフランセをはじめ、全体にもうちょっと肩の力を抜いて、曲の展開に応じて雰囲気をかえてほしかったなぁ。ほんとうはこのアルバムに、革命的作曲家ドビュッシーの曲を加えたかったとか。
オススメ度:
アマゾンでこのCDをチェック! |
第6作はイギリスの作曲家の作品を集めてあります。といいたいところですが、フェビアン・レザ・パネが浮いてますねー。曲は悪くはないと思うんですが、なんでわざわざこのアルバムに収録したんでしょう? 夜想曲のような弦楽器主体の曲をサックスで演奏するのは、やはりちょっと無理があるように思えました。とはいえ、演奏自体はかなりがんばって、特にグレインジャーやシンプル・シンフォニーは健闘してます。愛の挨拶は、もう少しストレートな編曲だったらなな、と思うのですが。。曲に思い入れがあるだけに、残念。
オススメ度:
アマゾンでこのCDをチェック! |
1999年7月リリースのアルバム。冒頭のソングス・フォー・トニーでは、アクセントやアーティキュレーションがキッチリ揃った、活きた音楽が流れてきて、久しぶりに「アルモらしさ」を聴いたような気がして嬉しくなりました。この演奏、アポロSQや4quater、デルタSQの演奏と聴き比べてみると、興味深いです。続くエスケープ・トゥ・ザ・センターやティスネのアリアージュも、ともすると得体の知れないゲンダイオンガクになってしまいそいそうな曲を、アルモらしい明快さで切り抜けていて、好感を持ちました。バーバーも沈滞する音楽ではなくて、前進するアダージョに仕上がってます。最後のダンスは、スティリー風タランテラとも呼ばれるピアノ曲からの編曲で、オーケストラ編曲も知られている曲ですが、当初アルバム「革命児」に収録されるはずだったのが、収録時間の関係でオクラ入りしていて、今回ようやく日の目をみました。ちょっと元気がよすぎるような気もしますが、アルモお得意のナンバーとあって、最後までキッチリ練られた楽しいアンサンブルを聴かせてくれます。
オススメ度:
1曲目は作曲者自身や清水靖晃(sax)といったメンバが演奏していて、残り2曲をアルモが演奏しています。どの曲もすばらしい演奏内容で、特に4重奏曲は佳演!・・・・なのですが、レーベルの「シナジー幾何学」は倒産してしまいました(涙)。 もし、どこかでこのCDを見かけたら、即ゲットをオススメします。
オススメ度: