1947年生まれでニュー・ダニッシュSQのテナー奏者だったトーベン・エンゴフが中心となって、1998年に結成された団体。エンゴフ以外の奏者は1960〜70年代生まれの若手をそろえています。デンマークを中心に活動、2000年にはアメリカでのツアーを成功させています。アルトとバリトンは女性です。レパートリは幅広く、サクソフォンのクラシカルなナンバーから、クラシックからの編曲、現代デンマークの作曲家の作品、さらにはジャズも積極的にとりあげています。
なお、2000年まで?はソプラノは Henrik SVEIDHAL が担当していました。下記のアルバムでも、2枚目の途中までスヴィダールのクレジットがあります。
2006年の時点では、テナー奏者は Torben ENGOF から Jeanette BALLAND に変わっていました。ソプラノのスネーケスタッド以外は女性ということになります。
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デビューアルバムです。青みがかった灰色地に演奏者名だけのシンプルなジャケットのアルバムで、プログラムは正統派フランスの曲ばかり。もっともパスカルやリュエフは録音が少ないだけに貴重です(その後トルヴェールQによる録音もリリースされました)。
演奏ですが、冒頭のサンジュレが、慣用的な伸ばしの音をカットしていきなり始まるので、ちょっと驚きました。なんとなくぬけたサウンドと思ったら、どうやら音程の取り方によるもののようです。どの曲も破綻のない程度には演奏されていますが、アーティキュレーションの不揃いや音程の甘さを始め、音楽が収束せず発散してしまってるように感じてやや興ざめでした。
なお、このCDは別レーベル名で廉価盤としてリリースされなおしているようです。
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デビューアルバムがサクソフォンのクラシカルなレパートリだったのに対して、こちらはアルバムタイトルどおりの現代デンマーク作曲家による曲。ノーホルムはテナーのエンゴフが以前参加していたニュー・ダニッシュSQの演奏もありますが、テンションはコペンハーゲンSQのほうがちょっと低め。本当はもっと表情豊な曲たちだと思うのですが、どの曲を聴いても金太郎飴的に聴こえてしまい、曲ごとの魅力、演奏の魅力が積極的に伝わってこなかったのが残念です。たとえば4つのスクエア・ダンスの躍動感や、スザーの鳥……に内在する"うた"など、もっと鮮烈に奏されていいと思うのですが。
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おそらく世界で最も有名なリーコーダ奏者であるミカラ・ペトリをゲストに迎えて録音したアルバム。K.90, 87, 9, 30, 159, 8, 513, 208, 58, 96, 200, 89の各曲が録音されています(ペトリの参加は最初と最後の2曲のみ)。リコーダとサクソフォン4重奏という編成は、音量のバランスがとりにくいだろうな、と事前に想像していたのですが、やはりサクソフォンの音量を相当抑え、編曲でリコーダの音域を浮き上がらせるようにするなど苦労の跡を感じました。しかし、ペトリは上手い! 鮮やかさ、安定感、ほれぼれします。
コペンハーゲンSQの演奏は、不安は感じないものの、私としてはやや粘ったような歌い方や音の膨らませ方などがちょっと苦手。しかし、スカルラッティやバッハなどのバロック曲と、サクソフォンのアンサンブルの相性のよさをあらためて再認識しました。
最新盤はコレルリ、ペルゴレージ、スカルラッティの作品をあつめたアルバム。通奏低音に加えて、ペルゴレージの曲ではヴォーカルも加わって、バロックの雰囲気を盛り立てます。少々演奏に癖がありますが、演奏のメンバーの変更も伴ってかレベルも少しづつ進歩が感じられます。この先も、さらに質の高い演奏で、ユニークな企画のCDを発表してほしいものです。