1989年に結成された、アメリカはロサンジェルスを本拠地に置く4重奏団。創設当初からのメンバであるソプラノのベネディクトとバリトンのリチャードは、ともにテキサス大学でハーヴェイ・ピテルの弟子にあたります。ベネディクトは現在カリフォルニア大学ロサンジェルス校のジャズ・スタジオに所属し、ジャズ奏者として2枚のアルバムをリリースしており、秋吉敏子やランディ・ブレッカーといった奏者のバンドにもクレジットを残しています。ウィリアムスはリヴァーサイド・コミュニティ・カレッジの音楽部門の副長を務めており、クラシックからジャズまで幅広く活動しています。1993年から参加したテナーのガイスト(女性)はハーヴェイ・ピテルSQ・ロサンジェルスSQのテナー奏者ロジャー・グリーンベルグの弟子、現在はフリーランスの奏者として、やはりクラシックからジャズまで(J.J.ジョンソンやボブ・ミンツァーにバンドなどに参加)こなしています。1994年からのの参加となったアルトのウィリアムスはバリトンのリチャードの弟子にあたり、ボストン大学のタングルウッド基金を受けるなど今後が期待される若手奏者です。これらのパーソネルからわかるように、ハーヴェイ・ピテルの影響を強く受けた団体です。
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Centaurレーベルからリリースされたアルバム。いろいろなスタイルの曲が取り上げられてますが、私としてはルッジェロの3つのブルースが全曲録音されたのが嬉しいです。惜しむらくは、演奏がお上品で、もっとごりごりとブルースっぽくしてほしかったなぁ。その点キャピタルSQの方が迫力がありました。またガイーヌのアダージョやトッカータとフーガ・ニ短調という選曲も意表を突かれましたが、聴いてみるとなるほどと思う内容で楽しめました。まあ、バッハはさすがにちょっと無理を感じるところもありましたが、これは仕方がないでしょう。
肝心の演奏のほうは、どの曲も積極的な表情があまり感じられず、正直なところ少々退屈しました。アリアではハーヴェイ・ピテルがゲスト・プレイヤーとしてソロを取っていますが、今までピテル氏をあまり積極的に評価していなかったのですが、ここでの演奏は音程にやや不満はあるものの貫禄を感じる演奏になっています。