Harvey PITTEL
すでに多くのアルバムを発表しているアメリカのサクソフォン奏者。今までにニューヨーク・フィル、ボストン交響楽団、ロスアンジェルス・フィル、スイス・ロマンド管弦楽団などのソリストとして招かれ、ズビン・メータ、小澤征爾、ネヴィル・マリナー、マイケル・ティルソン=トーマスといった指揮者のもとで演奏しました。ウッディ・アレンの「マンハッタン」をはじめ映画の世界でも活躍しています。自身の組んだ4重奏団はすでに25年以上続いており、1000回を超すコンサートを行なっています。以前はロサンジェルスSQに参加していました。現在はテキサス大学オースティン校(ここの門下生で結成されたサクソフォン・クアイアがテックス・サックスです)とボストン大学をはじめ、マサチューセッツ大学、南カリフォルニア大学ロスアンジェルス校などでも教鞭をとっています。
Official Site(英語)
主なアルバム
「Bach and Noodles」
Crystal Records CD654
1978 (Bach), 1987
- ニュー・クラシック組曲 (バッハ)
- 熊蜂の飛行 (リムスキー=コルサコフ)
- ヴォカリーズ (ラフマニノフ)
- ウードゥルズ・オブ・ヌードルズ (ドルシー)
- ヴェニスの謝肉祭 (ドゥメルスマン)
- アリスより ことば遊びの歌 (デル=トレディッチ)
- サクソフォニア (ヴィドーフ)
- イヴォンヌのワルツ (ヴィドーフ)
- カプリス (ボザ)
- ワルツ形式によるカプリス (ボノー)
- 常動曲 (パガニーニ)
- スカラムーシュ (ミヨー)
Harvey PITTEL (saxophone)
Levering RATHFUSS, Anton NEL (piano)
Gabor REJTO (cello) [a]
Crystalレーベルからの1枚。ニュー・クラシック組曲はバッハのフルートソナタ第2番を下敷きに、対旋律に「枯葉」「My Favorite Things」「If」を組み合わせたもので、なかなかおもしろい曲になってます。これは拾い物かとおもいきや、後に続く曲がいまひとつノリが悪いですね。ヴィドーフの曲が取り上げられていたり、プログラムとしては「買い」なんですが。。。
「Moving Along with Harvey Pittel, saxophone
Crystal Records CD655
Fall 1996 Music Hall at California State University, Los Angeles, U.S.A.
- サクソフォン・ソナタ (クレストン)
- サクソフォン協奏曲 (ダール)
- ヴォカリーズ (ラフマニノフ)
- サクソフォン室内協奏曲 (イベール)
- プロヴァンスの風景 (モーリス)
- 協奏的ソナタ「サン・マルク」 (アルビノーニ)
Harvey PITTEL (saxophone) / Jeff HELMER (piano)
同じくCrystalレーベルからのリリースで、こちらは本格的なオリジナル作品を集めた内容。どの曲もよく言えば丁寧に演奏されてますが、その分曲の躍動感、洒脱さはなくなってしまってます。音がただ鳴っているだけで、指向性がなくて流れていかないのです。実演になると人が変わるのかなー? プログラムがまとまっているだけにちょっと期待外れでした。
「Emerging and Celebrated Repertoire for Solo Saxophopne and Symphonic Band Volume II」
Mark 3932-MCD
2001 Bates Recital Hall, University of Texas [Live]
- アルト・サクソフォン協奏曲 (フサ)
- アルト・サクソフォン協奏曲 (マズランカ)
Harvey PITTEL (saxophone)
Jerry F.JUNKIN 指揮 テキサス大学ウィンド・アンサンブル
スピナッツォラによる第1集と同時にリリースされた、サクソフォンと吹奏楽による作品を集めたアルバム。収録されている2曲はともにスケールが大きく規模も内容も充実した作品で、ある意味難曲中の難曲といっていいでしょう。おそらく両曲ともライヴによる演奏のようです。ピッテルの演奏は、特に高音域でやや技術的に苦しい部分がありますが、ここでご紹介しているアルバムの中では完成度とテンションの高さが別格のように感じました。まずは大曲2曲を収めたディスクのリリースを祝いたいと思います。
「La Linge - La Sonoritè A tribute to Marcel Mule Emerging and Celebrated Repertoire for Solo Saxophopne and Symphonic Band Volume II」
Mark 5050-MCD [Live] (P)2004
- サクソフォン協奏曲 (ダール)
- コル・ニドライ (ブルッフ)
- サクソフォン協奏曲 (リー,ヒェキュン)
- 「シンドラーのリスト」のテーマ (J.ウィリアムス)
Jerry F.JUNKIN 指揮 テキサス大学ウィンド・アンサンブル
Harvey PITTEL (saxophone)
第3集もライヴ録音。難曲のダールをはじめとする4曲が録音されており、ラッシャーに共通する大きなヴィヴラートで演奏されています。跳躍の音程があやしかったり、高音域の音色がきつかったり、と、技術的に少々苦しい演奏で、残念ながら興覚めしてしまいました。またコル・ニドライやシンドラーのリストのようにゆるやかなテンポ設定の曲では、もっとサクソフォンの素直な歌を聴きたかった、、全体に、不満の残る演奏でした。
そもそもスピナッツォラによる第1集にもダールが録音されているのですが、なぜシリーズ内で重複??
「Live in Chicago」
Mark Custom MCD-2106
1995/12 Live at Mid West Band International Band & orchestra Clinic, Chicago, U.S.A.
- 小フーガ (バッハ)
- ラテンアメリカ4重奏曲 (ロメロ)
- A列車で行こう (ストレイホーン)
- まるで春のよう (ロジャース)
- テイク・ファイヴ (ブルーベック)
- 鳥類学 (パーカー)
- 3つのインプロヴィゼーション (ウッズ)
- ボディ・アンド・ソウル (グリーン)
- デサフィナード (ジョビン)
- 白鳥 (サン=サーンス)
- ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第3番より (バッハ)
- 妖精の庭 (ラヴェル)
- ブラジル風バッハ第5番より アリア (ヴィラ=ロボス)
- 熊蜂の飛行 (リムスキー=コルサコフ)
- トッカータとフーガ 二短調 (バッハ)
- マイ・ファニー・ヴァレンタイン (ロジャース)
Harvey Pittel Saxophone Quartet [Harvey PITTEL (soprano) - Vinbcent GNOJEK (alto) - Roger GREENBERG (tenor) - Todd OXFORD (baryton)]
4重奏団の演奏で、ミッドウェスト・バンド・クリニックでのライヴ録音です。曲は硬軟織り交ざってますが、かなりカットされたものもあるので要注意。A列車や白鳥などは主題がイイ雰囲気で出てきたと思ったらもう終わってしまい、あまりに短くて曲を楽しんでる余裕がありません。ライヴ録音ということもあり、曲によって出来不出来がかなりあって、けしてベストとはいえないようです。ジャジーな曲で見せる実力は、かなりのものと察せられるのですが。
「The University of Texas Wind Ensemble - At Carnegie Hall -
Mark 2697-MCD
- ジグ (ゴドフリー)
- 海辺のモリー (グレインジャー)
- ファンタジー・ヴァリエーション (グランザム) 世界初演
- ソナタ「サン・マルク」 (アルビノーニ)
- 熊蜂の飛行 (リムスキー=コルサコフ)
- ナイアガラの滝 (ドーガティ)
- 真夜中に (マーラー)
- ライド・オン、キング・イエス (民謡)
- エルザの大聖堂への行列 (ワーグナー)
- 歌劇「雪娘」より 軽業師の踊り (チャイコフスキー)
- アイ・オブ・ザ・テキサス (民謡)
Jerry F.JUNKIN 指揮 テキサス大学ウィンド・アンサンブル
Harvey PITTEL (saxophone) [d,e]
Barbara CONRAD (mezzo-soprano) [g,h]
吹奏楽のアルバムへのゲスト参加をご紹介。テキサス大学WEのカーネギー・ホール・ライヴ録音に2曲、おそらくメインプログラム1曲とアンコールなのでしょうか。ここでもピテル氏は好調とは言い難く、端正で格調高いサウンドとはいきませんでした。まあ、このアルバムはゴドフリーの曲の発掘にはじまりドーガティの新曲、有名なエルザの新編曲などユニークなプログラムが聴きものと言えましょう。