カナダのケベック・シティ音楽院を卒業したのが1965年、ケベック州政府の派遣でパリ音楽院で学び、マルセル・ミュール、ダニエル・デファイエに師事して1等賞で卒業したのが1969年ですので、おそらく1950年前後の生まれと思われます。1977年にはラヴァル大学の教職につき、以来カナダ内外で活動を続けています。ピエール・ボーク・サクソフォン4重奏団、ケベック・サクソフォン4重奏団(現アレクサンドルSQ)のメンバとしても活躍しました。現在もケベックを拠点にソロ・客演活動を行ない、リサイタルではケベックの作曲家の作品を積極的にとりあげています。
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カナダ生まれの作曲家によるサクソフォンのオリジナル曲によって構成されています。このCDで聴けるメナールのサクソフォンは、ミュールやデファイエの直系の弟子とあって、ヴィヴラートが充分かかったフレンチ・スタイルの華麗な音色です。おそらく50歳前後のお年と思われますが、このレコーディングのために書かれたという不確実性の曲の超高音をはじめ、技術的に非常に高い演奏です。曲も近代フランス的な響きのものが多く、ベダールのソナタやユトラスの夜想曲は、他の曲の複雑な響きに比べてほっとできる優しさがあります。フランス語(と英語)が公用語となっているカナダの、サクソフォンの底力を感じさせるCDです。
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このアルバムはフランスのオーソドックスなレパートリーを中心にした選曲。メナールの、あまり力で押さずにヴィヴラートをほどよく効かせた安定感のある音色はとても心地よい響きです。めずらしいのはユージン・ルソーのアドヴァンス・オブ・ジ・アルト。簡単な、なんてことのない曲ですが、メナールはとても愛おしそうに吹いています。チェレプニンの曲も、こんなチャーミングな曲だったっけ、と思わず認識しなおしてしまいました。アストゥーリアスはアルベニスの曲ではなく、アンリ・ビュッセルの曲ですが、これもなかなか小粋な曲。あまり派手さはありませんが、実力のほどをうかがわせる内容です。
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