Massimo MAZZONI


イタリアのロッシーニ音楽院を卒業、フランスに留学しボルドー音楽院でジャン=マリー・ロンデックスに師事しました。帰国後はイタリアの国内外のオーケストラとの共演を始め、ソロ活動、各地でクリニック等に招かれています。現代作品から、フランスもの、クラシックのアレンジ作品まで幅広いレパートリをこなしています。中でも、イタリアの現代作曲家とのコラボレーションにより、新しい作品を積極的に演奏している点は注目に値します。フェルモ音楽院の教授職を務め、またイタリア・サクソフォン協会長にある傍らモンデルチマルツィらと組んだイタリア・サクソフォン・アンサンブルとしての活動も要注目。

以下でご紹介したアルバムに加えて、モンデルチとともにフェデリコ・メンケリーニの作品集に参加しています。


主なアルバム

「ADA GENTILE PAESAGGI DELLA MENTE」

Ricordi CRMCD 1028 (C)1994
  1. 心象風景〜フルートとハープのための (ジェンティル)
  2. バガモヨ〜室内楽のための (ジェンティル)
  3. PERVIOLASOLA〜ヴィオラのための (ジェンティル)
  4. カンツォン・プリマ〜クラリネット・アンサンブルのための (ジェンティル)
  5. 深淵〜バリトン・サクソフォンのための (ジェンティル)
    Massimo MAZZI (saxophone) / Fausto BONGELLI (piano)
  6. 管楽4重奏曲 (ジェンティル)
  7. ランドスケープ・オブ・ザ・マインド〜クラリネットと弦楽器のための (ジェンティル)

Various Artists

各種音楽祭の芸術監督をつとめて活躍中の、イタリアの女性作曲家アダ・ジェンティルの室内楽作品集。どの曲もおそらく無調、無拍子の現代音楽曲で、タイトルからも想像できるように心理的な側面の強い曲が多く、とおして聴きとおすには少々体力がいるかもしれません。バリトン・サクソフォンのソロによる深淵(原題Dal Profondo)も楽器の性能をわざと無視したか?とさえ思える難しい音形や低音の連奏など、極限を感じさせる曲となっていますが、マツォーニは緊張感を保ちながら破綻なく演奏をこなしています。他の曲はかならずしも同じようなコンセプトではないようですが、私にとってはあまり楽しめる内容ではありませんでした。

なお各曲の邦題は、T嬢よりイタリア語・フランス語のアドバイスを受けてつけてみました。Thanks! >T嬢


「Marco Di Bari Works 1985/90

BMG 74321-35817-2 (C)1996
  1. 自然主義による6つの練習曲〜ピアノのための (ディ=バリ)
  2. 音がより美しく響くところ〜管弦楽のための (ディ=バリ)
  3. 動きのある第一練習曲〜バリトン・サクソフォンとピアノのための (ディ=バリ)
    Massimo MAZZI (saxophone) / Fausto BONGELLI (piano)
  4. ゴーイング・メッセージ・エア〜フルートのための (ディ=バリ)
  5. 記憶の中の音のように〜弦楽合奏のための (ディ=バリ)
  6. めぐる時間のなかで〜クラリネットのための (ディ=バリ)

Various Artists

1958年生まれのイタリアの若手作曲家、マルコ・ディ=バリの作品集。1991年にはSIAE賞(って何でしょう?)を受賞した、有望な作曲家です。まず冒頭のピアノ曲の輝くような力強い音楽に惹きこまれました。ピアノの高音の強打が多く、ややもすると汚い音になるキライはありますが、タイトルの自然主義による6つの練習曲の名のとおり、不思議なきらめきと清潔感を感じました。バリトン・サクソフォンのための動きのある第一練習曲の練習曲も、低音だけに"きらめき"とはいいませんが、強い求心力をもちながら美しい音楽になっていて楽しめました。他の曲も同じような傾向にあり、このアルバム以外の作品も聞いてみたいものです。

なおこのアルバムも、各曲の邦題はT嬢のアドバイスによりました!


「Fernando Mencherini」

Edipan PAN 3037
  1. 心を開く庭〜ハープと管打楽器のための (メンケリーニ)
  2. セメン〜フルートのための (メンケリーニ)
  3. キャラヴァン3重奏曲〜クラリネット、サクソフォンとピアノのための (メンケリーニ)
    Massimo MAZZI (saxophone) / Federico PACI (clarinet) / Fausto BONGELLI (piano)
  4. 〜ヴァイオリンとピアノのための (メンケリーニ)
  5. ディヴァリカント〜サクソフォンとピアノのための (メンケリーニ)
    Massimo MAZZI (saxophone) / Fausto BONGELLI (piano)
  6. 王の銅張り〜15の楽器のための (メンケリーニ)

Various Artists

メンケリーニの作品集はモンデルチの項でもマッツォーニが参加した録音を紹介しましたが、イタリアの地元のレーベルからリリースされたこちらのアルバムにもマッツォーニが2曲に参加しています。いずれも相当な技巧と体力を要する曲と思われますが(あえて極限に挑戦しているようにすら聴こえる)、マッツォーニは要求に対して確実に音楽を生み出していっています。私がこれらの音楽を充分に理解しているとは言えないのですが、その響きは存在感がたっぷり詰まっているようです。しかし、生で聴いたら相当圧倒的な音楽でしょうね、これは。


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