Barry COCKCROFT
オーストラリアとヨーロッパを股にかけ活動する若手サクソフォン奏者。メルボルンでピーター・クリンチに師事、メルボルン大学で修士を得た後フランスへ留学し、マリー・バーナディッテ・シャリエとジャン=マリ・ロンデックスに師事しました。国内で積極的に活動を行なうほか、国際的なメンバからなるアンサンブル・アトモスフィアの一員としても活躍しています。また、メルボルン交響楽団の主席サクソフォン奏者としてツアーに参加する一方、メルボルン大学とヴィクトリアン芸術大学で教鞭をとっています。
Official Site(英語)
主なアルバム
「Beat Me」
Reed Music RM 020
Melba Hall, University of Melbourne [a-f,i,m]
University of Tasmania Conservatorium Recital Hall [others]
- Ku Ku (コッククロフト)
- ジャングル・フィーバー (ヒンドソン)
- ビッグ・ライトハウス (グリーンバウム)
- I touched your glistening terars... (ブロードストック)
- ブラック&ブルー (コッククロフト)
- 異国 (コッククロフト)
- ノイズ・イン・ザ・フード (グリーンバウム)
- リフレクション (コッククロフト)
- ゴルグ (コッククロフト)
- ワン・フォー・マム (L.ダヴィドソン)
- オータム・キャノンボール (L.ダヴィドソン)
- ビート・ミー (コッククロフト)
- スリープレス・イン・オーヴァーナイト・シティ (グリーンバウム)
Barry COCKCROFT (saxophone)
Ross Calia (piano) [b,c]
Teresa Lavers (piano) [d]
Matthew Boden (piano) [g,h,j]
コッククロフト自身が経営に携わっているReed Musicからのリリース。写真をみておわかりのとおり、透明なケースに文字が白色と、洒落たつくりになっています。小品ばかりですが、楽譜はすべて Reed Music 社から出版されています。コッククロフトの作品も含まれており、実質的にはデモCDといえるかもしれません。小品ばかりですが、ジャズの影響を受けた曲が多く、また一部の曲は軽めのタイトルとは裏腹にどれもシリアスな作品で、コッククロフトの演奏は至ってマジメ。圧倒的なテンションで、ソプラノからテナーまでのソロ、ピアノ伴奏曲を含めてヴィヴラートをかけずストレートな音色で吹きまくります。これらの曲を聴いて、演奏しようと思ったあなたはReed MusicのサイトへGO!(もちろんCDのオーダもできます。私が買った時点では送料込みで AU$22=約\1,300円 でしたので、お買い得!)
余談ですが、Reed Music のサイト内にある Aural Sax というページは、名前もすごいですが、600曲以上のサクソフォン曲の mp3 データを試聴することができる本当にすごいページ。ぜひ、ブックマークを。
Reed Music 内のこのCDの案内はこちら
オススメ度:
「Hinterland」
Reed Music RM332 (c)2006
- ドライブ (J.ピーターソン)
- 湖と後背地 (グリーンバウム)
- 秋の歌 (アボット)
- ブルー・ライド・コレクションより (スピーワク)
- カレードスコープ・コレクションより (スピーワク)
- 彼らが去るとき (クラークソン)
- 小さな幻想 (スピーワク)
- 前奏曲とアレグロ (スピーワク)
- 聴き手 (L.ダヴィッドソン)
- しなやかな杖 (J.バラット)
- 曲がった杖 (J.バラット)
- 秋のキャノンボール (L.ダヴィッドソン)
- ママのための小品 (L.ダヴィッドソン)
romp duo [Barry COCKCROFT (saxophone) / Adam PINTO (piano)
ピアノのアダム・ピントと組んだロンプ・デュオのクレジットによるリリース。これもアマチュアでも取り組めるオーストラリアの曲が録音されています。2分〜数分程度の規模の小さい曲ばかりですが、一つ一つの曲にきちんとストーリがあり、それを音楽にまとめあげていく作業を感じ取ることができました。曲目解説がないのが残念。。
「Crazy Logic」
Reed Music RM333 (c)2006
- クレージー・ロジック (オルロヴィッチ)
- 天国 (P.ゴールドスタイン)
- 止まった時間 (グレンフェル)
- 近すぎず、遠すぎず (ブロードストック)
- マーフィーの掟 (P.ノーマン)
- ディグレッション・モダリ (ペルトー)
- 新世紀のための3つの場所 (グリーンバウム)
romp duo [Barry COCKCROFT (saxophone) / Adam PINTO (piano)
1曲目、アルバム・タイトルにもなっているクレージー・ロジックがカッコイイ! サクソフォンとピアノのユニゾンによるスピード感ある第1主題と、のびやかな第2主題とのコントラストが気に入りました。1曲目が印象的だとそれ以後の曲も魅力的に感じるもので(苦笑)サクソフォンの特性を活かしたユニークな曲を、デュオは実に楽しそうに音に刻んでいきます。フランス仕込みのコッククロフトの音色の美しさも聴きもの。これまでオーストラリアの奏者のCDを何枚か聴いてきた中で、一番印象的な1枚です。
オススメ度:
「Mercurial」
Reed Music RM099 (c)2005
- サクソフォン・ソナタ (グリーンバウム)
romp duo [Barry COCKCROFT (saxophone) / Adam PINTO (piano)
- 3つの眠りの歌 (グリーンバウム)
Iarissa CAIRNS (soprano) / Patrick LAWRENCE (piano)
- オクテニカル・ソング (グリーンバウム)
Barry COCKCROFT (saxophone)
- ヴァイオリン・ソナタ (グリーンバウム)
Marianne ROTHSCHILD (violin) / Glenn RIDDLE (piano)
- 4つの思い (グリーンバウム)
Patrick LWARENCE (piano)
- ライフ・サイクル (グリーンバウム)
Marianne ROTHSCHILD (violin)
- フォー・エヴァー (グリーンバウム)
Hildy ESSEX, Patrick Lawrence (piano)
作曲活動に加えて、コッククロフトをはじめ、リード・ミュージック社の多くのCDのプロデュースを行なっているグリーンバウムの作品集。サクソフォン以外に、ヴァイオリンや声楽のための曲も含まれていますが、変拍子を使いながらもリズム感を前面に押し出すことなく、リリカルな表情をたたえているのが特徴です。一番の大作であるサクソフォン・ソナタは、サクソフォンとピアノの音の綾が、小川のさざなみのように広がり、少しづつ姿を変えて様々な風景の中に溶け込んでいくような物語性を感じました。ここでも、コッククロフトの抑制されたヴィヴラートによる美しい音色と、よく息があったピアノとのコンビネーションが見事です。