Peter CLINCH


オーストラリアのサクソフォン・クラリネット奏者。1930年ウェスト・オーストラリアのジェラルドンに生まれ、6歳で音楽教育をはじめ、1947年にはパース交響楽団のクラリネット・セクションに参加、またオーストラリア空軍軍楽隊のプリンシパル・クラリネットに着任します。さらにオーストラリア放送交響楽団ではクラリネットとサクソフォンを持ち替えで吹きました。パースのウェスタン・オーストラリア大学で学位を受け、メルボルン大学院の音楽科のトップに着任しました。クラシカル・サクソフォンの分野ではワールド・サクソフォン・コングレスへたびたび参加するなど国内外で活動を展開し、ピーター・クリンチ・サクソフォン4重奏団を結成し積極的に活動を行ないました。サクソフォンとクラリネット、現代音楽からとジャズ、演奏と作曲それぞれで実績を残しています。1995年に亡くなりました。



主なアルバム


「The Art of Peter Clinch」

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diversions 24120
  1. サクソフォンと弦楽オーケストラのための協奏曲 (ラヴロック)
    Peter CLINCH (saxophone) / George LOGIE=SMITH 指揮 アストラ室内楽団
  2. 3つのスケッチ〜クラリネットとピアノのための (ラヴロック)
    Peter CLINCH (saxophone) /
  3. サクソフォンと弦楽4重奏のための5重奏曲 (グロス)
    Peter CLINCH (saxophone) ペトラ弦楽4重奏団
  4. イントロスペクションズ〜サクソフォンとテープのための (ドンブレイン/クリンチ)
    Peter CLINCH (saxophone)
  5. ソナタ〜サクソフォンとピアノのための (ラヴロック)
    Peter CLINCH (saxophone) / Trever BARNARD (piano)
  6. サクソフォンと管弦楽のための協奏曲 (ペンベルシー)
    Peter CLINCH (saxophone) / Verdon WILLIAMS ウェスト・オーストラリア交響楽団

過去のレコーディングから、協奏曲、現代音楽、室内楽などクリンチの八面六臂の活躍ぶりが伺えるベスト盤です。クリンチのサクソフォンは(クラリネット持ち替え奏者に共通する)比較的太目のストレートな音色で、もちろん技術的に安定しています。しかも、アヴァンギャルドの曲から古典的な曲まで、まったく違和感なく吹きこなしています。そして何より、音楽と演奏との一体感が心地よく、オーストラリアの作曲家によるこれらのレパートリーが、クリンチの血となり肉となっていることを感じさせます。クリンチの名前は日本での知名度はほぼ皆無といっていいといいと思いますが、実力ということではもっと認識されてよい奏者でしょう。

オススメ度:

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