Linda BANGS-URBAN
ニューヨークのウェイヴァリー生まれ。ニューヨーク州立大学でローレンス・ワイマンに師事、その後シーグルト・ラッシャーの弟子となり、1969年にラッシャーSQの創設に参加し1992年12月までバリトン・サクソフォンを担当しました。1990年秋に南ドイツ・サクソフォン室内合奏団を創設、指揮者となりました。現在は、ドイツのダルムシュテット音楽院をはじめ、ヨーロッパやアメリカでマスタークラスを持っています。
主なアルバム
「Chamber Music for Baritone Saxophone」
Coronet CD-Cor 401-8
1995/12/12, 1996/7/4,7 Tonstudio van Geest, Sandhausen, Germany
- バリトン・サクソフォンとパーカッションのためのコンチェルティーノ (ルーカシュ)
- バリトン・サクソフォンとピアノのためのポエム・トリヴィアル (テルツァキス)
- バリトン・サクソフォン、ヴァイオリン、ビオラとピアノのための「リンダ4重奏曲」 (グラーサー)
- バリトン・サクソフォンとフルートのための「対話」 (リニエ)
- バリトン・サクソフォンとピアノのためのソナタ (グラーサー)
Linda BANGS-URBAN (saxophone)
Ursula TREDE-BOETTCHER (piano) [b,e]
Bertold ANHALT, Frank BEHLE (percussion) [c]
Iris RATH (flute) [d]
Wolfgang BENDER (violin) [c]
Simone HEILGENDROFF (viola) [c]
全曲バリトン・サクソフォンによる演奏は、オランダのトゥイラールトによるアルバムをはじめまだ数少ないですが、リンダのアルバムは現代音楽の連続で、フラジオ音域も駆使しており、曲はけしておもしろいと言えるものではありませんが、演奏そのものに唸らされます。こよなく低音楽器を愛するあなたは、是非聴いてみましょう。といって、繰り返し聴きたいアルバムになるかどうかは疑問ですが。収録曲の中ではフルートとの2重奏の対話が、タイトルどおりの響きで楽しめました。
なお、彼女は南ドイツ・サクソフォン室内合奏団のアルバムでも、グラサーの協奏曲を録音しています。
「Contrasts Kammermusik für Baritonesaxophon」
Antes BM-CD 31.9245
2007/4 Akademie für Tonkunst Darmstadt [a-d]
2007/5 Kath, Kirche Karlsruhe-Grötzingen [e,f]
- デュオ〜バリトン・サクソフォンとピアノのための (トレイバー)
- ソナタ第1番 変ロ長調 (ヴィヴァルディ)
- ソナタ〜ファゴットとピアノのための (マヒャ)
- アナザー・トゥイスト〜バリトン・サクソフォンとピアノのための (ガーバー)
- 4重奏曲〜バリトン・サクソフォン、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための (プラパッヒャー)
- ソナタ第1番ヘ長調より アダージョ、アレグロ (ゼレンカ)
Linda BANGS-URBAN (saxophone)
Annemi EGRI (piano) [a-d]
Theo BREIDENBACH (violin) [e,f]
Charlotte BREIDENBACH (violin, viola) [e,f]
Alev AKCOS (cello) [e,f]
実に自然にバリトン・サクソフォンを吹きこなしてる、、というのがこのCDの印象。現代的な響きのするトレイバーやブラバッヒャーのような曲でも、ヴィヴァルディやゼレンカのようなクラシック、それもバロック期の曲でも、力んで音楽の流れを阻害するはありません。音楽の流れていく方向を見据えて確実に響きを組み立てていく、職人気質を感じました。ややピアノに埋もれがちに聴こえるのが残念ですが、地味だけどわが道をいくバリトンの響きは、聴き返すたびに味わいが出てきます。バングス氏といえば、ラッシャーSQや南ドイツ・サクソフォン・アンサンブルの活躍から、どうももっと元気な演奏を聞かせてくれる印象があったのですが、これは録音のせい?
オススメ度: