南ドイツ・サクソフォン室内合奏団は1990年秋に現指揮者のバングス・リンダによって設立された、総勢18名からなる、サクソフォン・オーケストラ。ソプラノ2 アルト7 テナー4 バリトン3 バス2 という編成で、アドルフ・サックス自身の設計によるマウスピースで統一されているのが特徴です。バングス・リンダはアメリカ生まれの女性でシーグルト・ラッシャーの弟子で、ラッシャーSQの設立当初のバリトン・サクソフォンのメンバでもありました。
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なかなかユニークなアルバムです。バリトン・サクソフォン協奏曲なんていう曲を聴いたことがありますか? 作曲者のグラーサーはラッシャーと親交があり、バングス=ウルバンは曲を的確に解釈しています。 他の18本のサクソフォンの奏でる不思議な曲も聴きもので、なかでも、フォン・コックの作品は不思議な魅力を感じました。日本の音大のサクソフォン科でもとりあげてくれないかなぁ。
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前作とメンバが若干変わっていますが、演奏の質は上がったように感じます。サクソフォン・オーケストラという、なんとなく賑やかしそうな名前からは想像できない、繊細でしなやかな音色が流れてきて驚きました。曲はほとんどがこの団体のために書かれた作品ですが、不協和音こそ少なくないものの暑苦しく迫る曲・演奏はあまりなく、室内合奏というに相応しい響きです。ソプラノ2本という編成でも音程に不安をまったく感じさせず、音楽そのもので勝負する姿勢はあっぱれ。中でもウィンター・プラネットの音場の広がっていく感覚、メディテーションのタイトル通り静謐な雰囲気は気に入りました。親しみやすい響きではありませんが、サクソフォン合奏の可能性を感じさせるアルバムです。
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前2作と異なるレーベルからリリースされた、ドイツの作曲家によるサクソフォン・オーケストラのための作品集。しかし、前作と一部曲がダブっているあたり、レパートリに苦労しているのでは、と心配になります(よけいなお世話だって、、)。このアルバムでも、現代的な曲ばかりではありますが、どの曲もメロディラインははっきりしていて、極端にノイジーな曲はありません。さて、演奏についても前作までとほとんど同じ印象ですが、より完成度は高くなってきています。さらにカラフルでしなやかな演奏を今後期待したいところです。好事家向けでしょうか。。
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