1990年にバルセロナ音楽院のミケル・ボフィルが中心となって結成したアンサンブル。ソプラニーノからバスまで6種類のサクソフォンをボフィルを含め12名で担当しています(あれっ、団体名は、指揮者を入れて13名ってことなの??)。1991年に公の場で演奏して以来、バルセロナで行なわれたワールド・サクソフォン・コングレスをはじめさまざまな場で活動を行なっております。また、メンバはオーケストラのソリストや海外でのリサイタルなど各自積極的に行なっています。指揮者のボフィルはスペインでは高名なアドルフ・ヴェンタスに師事した後、留学しジャン=マリ・ロンデックスに師事しました。その際、ワールド・サクソフォン・オーケストラに参加したことがこのアンサンブル設立の原点と思われます。
前半がジャズナンバー、後半にクラシック作品を配したアルバム。このCDを手にして驚いたのはグラズノフの協奏曲がサクソフォン伴奏版で録音されていたこと。ソロも含め全体にもうひとつ技術的な完成度がほしいところですが、スペインで活動するラージアンサンブルの音色をこうして聴くことができるというのも嬉しいものです。ソロといえばハーレム・ノクターンの方は節度の加減がほどほどにエッチで(笑)なかなか楽しめました。ソプラニーノからバスサックスまで、意外とと言っては失礼ですがまとまりのある音の塊りになっていて、特に後半のオリジナル作品ではその活躍も楽しいですよ。