ユタ州で活動している団体。1983年に、レイ・スミスが教鞭を執っていたブリンガム・ヤング・ユニヴァーシティ在学中のメンバーで結成されました。1985年以来現在のメンバーで活動を続けています。結成当時はユタ唯一のサクソフォン4重奏団とのことで、全員が他の木管楽器への持ち替えが可能というのも特徴です。現在、メンバーはユタ州に限らなず広範に活動しており、アルトのダロン・ブランフォードはメキシコ・シティ・フィルの主席クラリネット奏者を務めた後、現在は地元ユタのテンプル・スクエア管弦楽団の主席クラリネット奏者となっています(尺八も演奏するそうです!)し、テナーのデイヴィド・フェラーとバリトンのゲイリーン・スミスはユタ室内管弦楽団やユタ交響楽団で演奏する一方バリー・マニロウ、ナタリー・コール、レイ・チャールスといったアーティストと共演したりしています。
なお、使用楽器は、ソプラノが Cannonball '99 Arc Soprano Saxophone (Black) のほかは、ヤマハのカスタムに、ルソーモデルのマウスピースを使っているとのことです。
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タイトルどおりパリSQ(マルセル・ミュール4重奏団)およびハリウッドSQに捧げられた/縁の深い曲を集めた2枚組のCD。ハリウッドSQについては私もほとんど知らなかったのですが、1950〜60年代に東海岸で活動していた団体で、なるほど、これらの曲を見ればその活動の一端が垣間見えるようです。ジャズ色の強いアルバムを含む4枚のLP録音を残しているようですが、聴いてみたくなりました。。
ユタSQの演奏ですが、演奏のせいかそれとも録音のせいか楽器同士の音色が十分融けあっておらず、フランスものの演奏の魅力は残念ながらあまり感じませんでした。しかし、アメリカものの演奏はさすがにノリがよく、聴いていて思わずリズムを取りたくなってしまうようなものばかり。しかしそのセンス、たとえばアーティキュレーションやフレーズの取り方が、私のような日本人とずいぶん違うな、と感じたのがラグタイム組曲の演奏でした。G線上のアリアでは、途中ずいぶん予想外の装飾音が出てくるのがユニーク。原曲至上主義の方は目をしかめるでしょうが、これはこれでユニークです。クラリネット4重奏は全員持ち替えての演奏で、クラリネットでもここまでジャズっぽくなるんだな、と驚きました。そして圧巻は、レニー・ニーハウスが編曲したジャズナンバーの4曲。ニーハウスらしい、サクソフォンがセクションで動き回る編曲ですが、どこからかハイハットと弦バスの音が聞こえてきそうなゴキゲンな演奏です。これ、自分でも演奏してみたいですが、こんなにカッコよくできるかなぁ。。
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