アメリカはユタ州プロヴォのブライアム・ヤング大学をベースに活動するサクソフォン奏者。インディアナ大学でユージン・ルソーに師事しました。卒業後はジャズ/クラシック・サクソフォン奏者として、フルート、オーボエ、クラリネット、バスーンの持ち替えも含めて(!)こなしています。数多くの映画音楽、ジャズ・フェスティヴァル、そしてキース・ロックハート指揮のユタ交響楽団やボストン・ポップス管弦楽団(アルバム「ラテン」)の客演ソリストとして、クレジットを確認することができます。楽器はルソーの弟子らしく、ヤマハのカスタムを使用しているようです。
プロヴァンスを想像させる農園風景の中で、サクソフォンを構えるスミス氏のジャケット。このアルバムでは、オーケストラ伴奏、ピアノ伴奏、室内楽などさまざまな演奏形態でスミスのサクソフォンを聴くことができます。アルバムタイトルになっているプロヴァンスの風景オリジナルのはオーケストラ伴奏。ピアノ伴奏の録音は数あれど、オケ伴奏はこのアルバムとノラン(sax)/ベルナルディ指揮CBCヴァンクーヴァー管の演奏くらいでしょうか(2者とも北西アメリカの奏者なのは、偶然?)。ただ、スタジオオーケストラゆえか、それとも録音ゆえかオーケストラの色彩がちょっと乏しく聴こえて残念でした。デュボワの演奏はどうやらスミス氏が楽器を持ち替えての多重録音らしいです。一人の奏者ゆえ表現の統一感は見事ですが、テンポの微妙な表現はさすがに難しいようで、、、。最後のファンタジアはソプラノではなくテナーによる演奏。全体に仕上げ不足の感はありますが、スミス氏の意欲は充分にうかがえるアルバム。
ところで、デュボワの3人の近衛騎兵の最終楽章って、どこかで聴いたような、、サクソフォン・ファンの方なら聴いてニヤリとされること請け合い。
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