1992年、ブリュッセル、リエージュ、モンの国立音楽院を卒業したメンバで結成、1995年にテナーのメンバが変わり、現在に至っています。師匠?であるダネールスの影響を強く受け、ダネールスの結成したベルギーSQの後継と位置付ける名前としてニュー・ベルギーSQを名乗っています。以下ご紹介したアルバムからも想像がつくように、クラシックからジャズまで幅広いレパートリを持ち、リサイタルではジャズのナンバーを数多くとりあげているようです。ヤナギサワの楽器、ヴァンドレンのリード・マウスピースを使用しています。
デビュー・アルバム。最初の軽業師の踊りがどんな音になっているのか、原曲でなじんでいるので興味津々で聴いたのですが、なかなかどうして、Holcombe氏の編曲の妙もあり楽しめました。続くセヴィリャは、聴き慣れているミュールの編曲ではなく、ダネールスによるもの。かなり違った響きがして、ウォークマンで聴きながら歩いていると時々ズッコケそうになりますが、これはこれで楽しめました。この団体はジャズやアップテンポの曲が得意とみえ、ヴァイニェィンの小品やジャイヴ・フォー・ファイヴは勢いのある堂に入った演奏です。一方、比較的クラシカルな曲の演奏は技術的に少々アラが目立ったり明らかなミストーンもあり、今一つ心引かれるものがなくて残念ですが、、、
なお、このアルバムではアルト奏者は René ZAPRZALKA となっています。テナー奏者の兄弟かしら?
セカンド・アルバムになるこのCDは、オリジナル曲からジャズ曲まで幅広い選曲になっています。また大御所ダネールをゲストに迎えて5重奏ではかないワルツを演奏しているのも聴きもの。ダネールの演奏はところどころクセのある音符のとりかたが気になるところも有りますが、4重奏のメンバの音色と明らかに違う貫禄を感じます。
全体に音色の統一感が希薄でアンサンブルに甘い面があり、正統派オリジナル曲では少々不満もありますが、随所に独自の解釈が施してあります。たとえば、曲がとまりそうなくらい派手な rit をかける小組曲にはびっくり。またルーマニア民俗舞曲はエーデルファイSQの洗練された演奏と比べると、こちらは土の香りのする演奏、とでも言いましょうか。一方、ジャズ色の強い曲では解釈や即興など堂に入っていてなかなか楽しめました。中でもハーレクイン組曲では、ユニゾンの乱れもお構い無しに突進するアルトには思わず顔がほころびました。ジャズのスタンダード曲はベースやピアノも入っていて、これはなかなかゴキゲンなサウンド。