2005年、イタリアのロッシーニ音楽院でフェデリコ・モンデルチに師事していたメンバーで結成されました。イタリア国内はもちろんをはじめドイツ、ロシアにもツアーを行ない、レパートリーはフランスのアカデミックな作品はもちろん、ルネッサンスからクセナキスやドナトーニなどのコンテンポラリーに至るまで、ジャズや民族音楽、タンゴに至るまで精力的な演奏を続けています。これまでにアルバムを4枚リリースしていますが、以下でご紹介している2枚のほか、吹奏楽団との共演、ジャズ奏者Javier Girottoとの共演など、既成の概念にとらわれない演奏活動を展開しているようです。
前半はラグを中心に、中盤はジャズのスタンダード一番最後にラプソディ・イン・ブルーを据えるという考えられた構成のアルバムです。気楽にこのCDを聞こうとしてプレーヤのボタンを押したら、1曲目からすごいスピードで駆け抜ける演奏に驚かされました。しかし、けして乱暴なだけでなく、サービス精神旺盛な楽しい演奏で、おそらくはこのスピードもサービス精神の一環なのでしょう。同じことを、師匠にあたるイタリアSQの小品集を聴いたときにも書いたような。やっぱりイタリア人の「血」なのでしょうかね。さらにスマートな演奏を期待したい箇所もありますが、このアルバムは、まだ活動の序奏=Overtureなのでしょう、将来を期待したいと感じさせる内容でした。
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2008年発表のアンコール・ピース集。どの曲もジツにゴキゲンな演奏で、破目をはずしつつ技術的にはまったく破綻なく仕上げてくるところがさすがです。後半のニノ・ロータ、ガーシュウィン、バーンスタインのメドレーも、メロディをしっかり歌わせながら、きちんと彼らなりの味付けをした演奏になっているのがさらにスバラシイ!さすがイタリア人、歌心が豊か、と感心しました。しかし圧巻は最後の2曲。ギリシャ(原題 Greek)では、アップテンポの変拍子(4/8+3/8+4/8!?)にのって繰り広げられる各楽器の奔放なソロは、まるでライヴハウスにいるのかと錯覚してしまいそうなほどホットですし、サクソフォビアも超プレストで最後まで駆け抜けていくかと思えば途中で隠し玉が用意されていたり。。こういうイタリア人、ぜひお友だちになりたいと思います。。
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