デンマークで活動するサクソフォン奏者。ペル・エゴーム、クリステル・ヨンソン、アルノ・ボーンカンプらに師事しました。ジョットランディア・サクソフォン4重奏団や、デュオ・カポウ!のメンバーとして、またオーフスのロイヤル・音楽アカデミーでサクソフォンの助教授として活躍しています。
小組曲の最初から、柔らかいけれど直線的な北欧の春の光のような、不思議な音色が印象的。力が抜けて音が浮遊していくような感覚に落ちていきます。すべてフランスの曲ですが、フランス風の"流れるような"時間軸を感じる演奏ではなく、点描的なのに空間の広がりを感じる、野暮にならない一歩手前の素朴で暖かい演奏です。特にサン=サーンスやプーランクでの間の取り方のセンスに感心しました。オリジナル曲のプロヴァンスの風景と綺遊曲ではもう少しスマートな演奏ですが、それでもよく耳にする華やかな響きとはずいぶん趣きの異なります。最後のカルメン変奏曲まで、聴きなれた曲なのにはじめて聴くかのような新鮮な感覚で楽しむことができました。
このCDは友人Thunder氏のご好意で入手することができましたが、CllasicO Records レーベルのサイト他では存在を確認することができませんでした。ぜひきちんとした流通経路で入手できるようになってほしいものです。
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