Jutlandia Saxofonkvartet
(Jutlandia Saxophone Quartet)


1996年に結成された団体。発音は英語読みで「ジョットランディア・サクソフォーンクヮルテット」です。これまでにフレデリック王子文化賞、ヴィルヘルム・ハンセン賞、デンマーク国文化貢献賞、オーギュスティヌス賞、ノルディック文化大臣賞など数々の賞を受賞している、デンマークを代表するサクソフォン・アンサンブルです。2005年には、名古屋万博へ派遣され、東京でもコンサートが行なわれました。

使用楽器は、ソプラノがヤナギサワ、アルトがセルマー、テナーがクランポン、バリトンがヤナギサワ、とかなりバラバラ。フランスや日本の団体が、セルマーやヤマハで楽器を揃えているのと対照的です。かといって、この団体のサウンドに統一感が希薄、ということもなく、このあたりがおもしろいところです。

バリトンのピール氏からご連絡を頂きました。現在は、全員セルマーの楽器を使用しているとのことです。ちなみにソプラノ、アルト、バリトンは Mark VI、テナーは Mark VII だそう。また、彼らのサイトに、なんと日本語バージョンが! タイトルページだけのようですが、たしかに「ジョットランディアサクソフォーンクヮルテット」とかかれています。わざわざご連絡ありがとうございました>ピール氏


Official Site(デンマーク語・英語・日本語)

主なアルバム


「Jutlandia Saxophone Quartet」

Ixtlan CD-001
2001/10/15-17 Concert Hall of The Royal Academy of Music, Aarhus
  1. コラール (モッテンソン)
  2. 小4重奏曲 (フランセ)
  3. Widow (アーンドレッセ)
  4. グラーヴェとプレスト (リヴィエ)
  5. そして声が (ノーディン)
  6. アンダンテ、フーガとフィナーレ (ムラエールト)
  7. マダムFへ贈る薔薇はない (メルネス)
  8. マリアのテーマ (ピアソラ)

北欧の作曲家による作品、フランスの古典的なレパートリ、サクソフォン黎明期のムラエールトの作品、そしてピアソラ、とサクソフォン4重奏の多様な面をうまく1枚に収めた、彼らのファースト・アルバム。全体にヴィヴラートはほとんど抑えられ、音価は短めに奏されているので、大胆な表現もありますが、おおむねすっきりとした音楽に仕上がっています。フランセリヴィエなど、フランス(や日本)の団体の華やかな演奏に比べて、見通しがよい分、曲の構造が浮き彫りとなる結果となっています。コラールマダムFへ贈る薔薇はないの2曲はストックホルムSQによる録音にも含まれていますが、ユトランドSQの演奏のほうがよりオーソドックスな解釈をとっています。彼らの持ち味のよい部分がうまく引き出されたアルバムです。


「Kasper Jarnum "Music for Saxophones"」

Ixtran CD-002
2003-4 The Royal Academy of Music, Aarhus etc.
  1. あなたが聴くとき〜バリトン・サクソフォン・ソロのための (ヤーナム)
    Kasper Hemmer PIHL (saxophone)
  2. 3重奏曲 (ヤーナム)
    Michael H.LUND (saxophone) / Florián NAVARRO (clarinet) / Eric BESELIN (basson)
  3. 反発作用I〜ソプラノ・サクソフォン・ソロのための (ヤーナム)
    Kasper Hemmer PIHL (saxophone)
  4. 騒々しい夢〜2本のテナー・サクソフォンのための (ヤーナム)
    DuoSax [Claus OLESEN, Kasper Hemmer PIHL]
  5. Der Totschläger und der Rattenfänger〜ソプラノ・サクソフォンとパーカッションのための (ヤーナム)
    Duo Kapow! [Claus OLESEN (saxophone) / Henrik LARSEN (percussion)]
  6. 反発作用II〜テナー・サクソフォンとピアノのための (ヤーナム)
    Kapser Hemmer PIHL (saxophone) / Kasper JARNUM (piano)
  7. Universets Bæreevne〜サクソフォン4重奏のための (ヤーナム)
    Jutlandia Saxofonkvartet

1971年生まれのデンマークの作曲家カスパー・ヤーナムによるサクソフォンのための作品を集めたアルバム。曲によって編成が違います(バリトン・ソロ、テナー2本、ソプラノ+パーカッション、4重奏、他)が、(難しいことはわからないのですが)どの曲もかかれている書法は大きく違わず、同一の作曲家による作品であることが明確です。

演奏者としてジョットトランディアSQの名前がクレジットされているのは1曲だけですが、他の曲もSQのメンバ、特にバリトン・サクソフォンのピール氏中心により演奏されています。たいへん明快で、作曲者の意図がよく認識できる演奏となっています。


「Ny musik i Suså 2」

Classico CLASSCD 630
  1. 讃歌 (ノーデントフト)
    Storstrøms Kammerensemble r.1998
  2. タロッコ〜チェンバロのための (ボルプ=イェルゲンセン)
    Guðrún ÓSKARSDÓTTIR (cembalo) r.2000
  3. 12の山 (ノードストレム)
    Slaato Trio r.2004
  4. 発見と副産物 (グルブランセン)
    Jutlandia Saxofon Kvartet r.2004
  5. マヤの踊り (ネアゴー)
    Ars Nova r.1999
  6. 近くと遠く (グズムンドセン=ホルムグレン)
    Århus Sinfonietta r.2002
  7. 双子のの夢 (ラスムセン)
    Ensemble 2000 r.1999

作曲家ノードストレムによって「存命するデンマークの作曲家の作品をデンマークの演奏家が演奏する」という目的で運営されている、スソー地方のスケルビーという小さな町が舞台となるスソー音楽祭。おそらく、このジャケットのように、田園的でのどかな場所なのでしょうね(ジャケ眺めているだけで行ってみたくなります)。現代作曲家による作品ばかりで、CDを聴いているだけではなかなかハードではありますが、どの曲にもどことなく透明感が漂っています。ジョットランディアSQの演奏するグルブランセンの曲、私の理解を超えておりコメントは控えますが、やはりこの曲は生で聴いてこそ価値があるような気がします。。。

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