1962年、エストニアのタリン生まれのサクソフォン奏者。タリン大学院でカセマーに師事した後、渡仏しクロード・ドゥラングルに学びました。その後ジャズ・カルテットを結成したり、ファンク、ヒッピホップのバンドに参加しました。現在はクラシックのソロ・客演の演奏の他、タリン・サクソフォンSQのアルト奏者として活躍しており、モントリオールで行なわれた2000年のワールド・サクソフォン・コングレスには4重奏として参加しました。また、ジャズ・アコーディオン奏者ティト・カルーストとのデュオ(このデュオでもコングレスに参加しています)、自らがリーダであるサックスアピールバンドなど、ジャンルを問わず積極的に活動を行なっています。
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1930年生まれのエストニアの現代作曲家、エイノ・タンベルグの作品集。エストニアは有名な作曲家のようで、4曲の交響曲、3曲の舞台作品を始め、管弦楽、室内楽曲などを発表しています。作風は前衛的ではありませんが、メロディが曖昧で調性が希薄なので世間一般のいう「現代音楽」の範疇に入るでしょう。作品の中では、舞台作品と並んで合奏協奏曲やトランペット協奏曲が有名で、後者は同じエストニア出身の指揮者ネーメ・ヤルヴィが名手ハーデンベルガーのソロで演奏をしたりしています。タンベルグはまたサクソフォンに愛着をもっているようで、1950年代後半の管弦楽作品の編成にサクソフォンを加えています。
このアルバムでヴェスキは、1988年に自身が初演したサクソフォン協奏曲と合奏協奏曲の2曲に参加しています。協奏曲では、暴れるときは暴れますが、羽目をはずしすぎない端正なソロに好感を持ちました。合奏協奏曲では他の楽器に比べてサクソフォンの目立つ個所が多く、擬似古典的な雰囲気がプンプン漂うアヤシげ(失礼!)な曲に、ヴェスキの真面目そうな演奏がなかなか楽しめました。このアルバムからはヴェスキがジャズを演奏する様子はちょっと想像できないのですが、聴いてみたいものです。
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