Tallinna Saksofonikvartett
(Tallinn Saxophone Quartet)


1983年ソプラノ奏者のオラヴィ・カセマー教授を中心に、タリン国立音楽院の卒業生で結成されました。エストニア国立管弦楽団やタリン室内管弦楽団をはじめ、数多くのオーケストラと共演するいっぽう、国内外のフェスティヴァルに参加、40近い献呈作品を含む150あまりの幅広いレパートリを持つ実力派です。

Official Site(エストニア?語、英語)


主なアルバム


「plays Estonian Contemporary Music」

edition49.0349
1997/9,1998/3-4,2000/2,2002/4 Estonian Radio Studios
  1. 哀歌 (トゥール)
  2. コン・アニマ (スメラ)
  3. 噂をすれば影〜4本のサクソフォンのための (スメラ)
  4. サクソフォン4重奏曲 (オジャ)
  5. プレイ (タンベルグ)
    Madis METSAMART (percussion)
  6. 孤立した橋〜サクソフォン4重奏と室内楽のための (コヴィッツ)
    Tarmo LEINATAMM / タリン室内管弦楽団

タイトルどおり、エストニアのサクソフォン4重奏のための現代曲を集めたアルバム。過去数年に放送音源として録音されたものをアルバムにまとめたようです。知らない曲ばかりかと思って買ったのですが、哀歌はもともとストックホルムSQの委嘱によるもので、アムステルSQも録音で知っていました。メロディラインははっきりしないものの、切々とした響きがいつしか叫びのようにすら聴こえてくるこの曲、あらためて気に入りました。噂をすれば影は、おそらく次のスメラ作品集の音源と同一と思われます。ジャズの影響を強く感じさせるオジャや、タンベルグのプレイでは曲に仕掛けられた様々なジョークをしっかり引き出しています。きっと楽譜を片手に聴いたら、もっとおもしろいだろうなぁ。

オススメ度:


「Lepo Sumera: Chamber Music」

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Antes BM CD-31.9165
2001/6 EESTI Raadio
  1. 即興曲風に (スメラ)
    Niina MURDVEE (violin) / Kadri=AnnSUMERA (piano)
  2. BBB〜ボリス・ビョルン・バッガーと彼の友人のために (スメラ)
    Jaan ÔUN (flute) / Boris Björn BAGGER (guiter)
  3. 2つの小品〜ヴァイオリン・ソロのための (スメラ)
    Niina MURDVEE (violin)
  4. ワルツ (スメラ)
    Niina MURDVEE (violin) / Kadri=AnnSUMERA (piano)
  5. 2つの綺想曲〜クラリネット・ソロのための (スメラ)
    Toomas VAVILOV (clarinet)
  6. 踊るオダリスク (スメラ)
  7. 歌うオダリスク (スメラ)
  8. 哀しげなオダリスク (スメラ)
  9. 無口なオダリスク (スメラ)
    Janika LENTSIUS (flute) / Henri=David VAREMA (cello) / Heiki MÄTLIK (guitar)
  10. センツァ・メトルム〜クラリネットとピアノのための (スメラ)
    Meelis VIND (clarinet) / Peep LASSMANN (piano)
  11. 哀しき闘牛士 (スメラ)
    Kadri=Ann SUMERA (piano)
  12. 噂をすれば影〜4本のサクソフォンのための (スメラ)
    Saxophonquartett Tallinn

1950年にタリンで生まれ、2000年に同地で急逝した生粋のタリンッ子レポ・スメラの室内楽作品集。5曲の交響曲をはじめ多くの作品を残しています。メロディラインがはっきりしない、いわゆる現代音楽には違いないのですが、極端な不協和音の連続ではなく、どことなく透明で清潔な、哀しげな響きが印象的です。同じエストニア出身のアルヴォ・ペルトにも通じるものがあるように思います。エストニア放送局のプロデューサを経て、1988年から92年までの間(ってことは30代にして大臣!!)ソビエトから分離独立したエストニア共和国の文化省の大臣の職に就いており、民族的な響きはこのこととは無縁ではなさそうです。

タリンSQはここでは噂をすれば影という作品を演奏しています。あいにく直前の、ピアノ(奥さんかお嬢さんかな?)による哀しき闘牛士の印象が強すぎて、サクソフォンSQの印象があまり残っていない、というのが本音ですが(爆)、このCDの中ではもっともとっつきにくそうな難しい曲でにもかかわらず、技術的不安を感じさせずかつ推進力に溢れた手堅い演奏の印象が残りました。え、これじゃコメントになってない??? ごめんなさい、何度聞いてもこういう感想になってしまうのです。

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