スティリアニ、という名前から想像できるとおり、ギリシャ生まれの女性サクソフォン奏者。幼くしてアメリカに渡り、ジグード・ラッシャーに師事、マンハッタン音楽学校を卒業し現在は主にピアノのヤニス・シラス(やはりギリシャ系?)とのデュオを中心に、ニューヨークを拠点にして活躍しています。フルネームはスティリアーニ・タルトシニスですが、ファーストネームの「スティリアーニ」を芸名?演奏活動を行なっているようです。
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スティリアニのソロ・アルバム1作目。アメリカSというタイトルのとおり、南北アメリカの曲を集めた内容になっています。(スカラムーシュはブラジルということ?)ギリシャ生まれのニューヨークっ子スティリアニの、アメリカでの意地、ということなのでしょうか。ありそうであまり音源のない6つのタンゴ・エチュードやギターとの組曲は、目新しいレパートリの開拓に役立つでしょう。さて、このアルバムで聴くことのできるスティリアニの演奏は、それぞれに真面目に取り組んでいることは理解できましたが、今一つ私の心に素直に響いてきませんでした。その理由、師匠であるラッシャー氏独特のヴィヴラートやフラジオ奏法。また、全体に音の立ちあがり・しまい方の処理が甘いせいか、音楽が落ち着かないように感じてしまったのは残念です。ああ、否定的なコメントになってしまったなぁ、、
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2枚目のアルバムは、師匠ラッシャーのレパートリを集めたプログラム。なるほど、師匠譲りの奏法で奏でられるこの演奏を聴いていると、ラッシャー氏自身はこういう解釈をしていたんだろうな、と思わせる演奏。先輩弟子にあたるグウォゼズの演奏も同じような傾向ですが、スティリアニの演奏のほうが勢いがあるせいか、より師匠譲りなのではないか、と勝手に想像しています(本当のところはどうなんでしょうね、、)。アルバムの中では、パルティータの飄々とした曲調が印象に残りました。
なお、こちらのアルバムでも共演者のデータは確認できませんでしたが、おそらくいつもデュオ活動をともにしているヤニス・シラスがピアノを担当しているものと思われます。それとスカラムーシュとロマンスを再録音しているのはなぜ? まあ、いいんですけど。。