1988年、作曲家でもあるベルギーのスレイヒムの提唱で結成されたアンサンブルで、今までに二十枚以上のアルバムを発表している実力団体です。クラシックの演奏は活動の極一部に過ぎず、ジャンルを超え、場合によっては音楽以外のジャンルとの融合さえ試みており、その活動は。
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サクソフォンによるバッハ集はロスアンジェルスSQやベルリンSQ、清水靖晃の演奏などいくつもリリースされていますが、その中でも異色なのがこのアルバムです。コラール・パルティータをとりあげる点も異色ですが、作品へのアプローチも独特です。
冒頭から響くアルト(?)のサウンドは、クラシカル・サクソフォンで聴かれる艶やかな丸い音色ではなく、まさにオルガンのそれを想起させるストレートな音が響き渡ります。続いて楽器が重なると、まるでオルガンが精緻に響きあってるような厚みを感じさせますが、オルガンよりもさらに人間の「息吹」が内在しているようです。ただ伸ばしている音にすら、心臓の鼓音が脈々と息づいているような、不思議な人間臭さが漂います。この不思議な演奏を支えているのは、技術もさることながら、スレイヒムによる編曲によるところが大きいと感じます。クラシックの奏法からすると、フレージングの処理など若干不満に感じる演奏法もありますが、この演奏にしかない不思議な「ブラインドマン・サウンド」は、一度は聴いてみる価値があるでしょう。
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