Quatuor de Saxophones Arcanes


ソプラノのヴァンサン・ダヴィッドをはじめフランスの若手奏者で結成された団体。ラヴェル、ドビュッシー、スメタナ、プロコフィエフ、ドヴォルザークなどの弦楽4重奏曲の編曲や、現代音楽をレパートリーとして活動しています。2005年の大阪国際室内楽コンクールでは、木管アンサンブル部門で2位(ちなみにこのときの1位はハバネラQとRNO木管五重奏団)を受賞するなど、内外で高い評価を得ています。

Official Site(仏語)


主なアルバム


「[R+D]」

(private)
2007/5/5-7 Auditorium de Stains, Paris
  1. 弦楽4重奏曲 (ラヴェル)
  2. 弦楽4重奏曲 (ドビュッシー)

ラヴェルとドビュッシーの弦楽4重奏曲をアルバムに収めた意欲作。残響の少ない録音のため一人ひとりの奏者のごまかしのない音が聴こえてきます。聴きはじめは少々違和感がありますが、聴けば聴くほど安定したテクニックに驚かされます。なるべく原曲の雰囲気を忠実に再現すべく、フラジオ(高音)音域の駆使はもちろん、ダブルタンギングで弓の擦れを表現したり、ピツィカートをスラップタンギングで表現したり(と書くと技術的にはそんな特別ということではないとも言えますが)、生々しい録音ゆえその技術の凄さがますます目立って聴こえます。

ただ、少々残念なのは、この曲をサクソフォン4重奏で演奏することの利点が、レパートリの拡大以外にあまり感じられなかったこと。ラヴェルにしてもドビュッシーにしても、比較的サクソフォンで演奏される機会が多い曲なので、どうしても批判的に聴いてしまうことを反省。もちろん、この感想はアルカンヌSQの演奏が充実した内容であるからゆえのものです。せっかくですからレパートリーにしているというスメタナやプロコフィエフあたりの演奏を聴いてみたいものです。

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