ノルウェーで活動する1975年生まれのサクソフォン奏者・即興演奏家・作曲家。ノルウェーの音楽アカデミーでジョン・エドワード・ケリー、クリステル・ヨンソンに師事しました。1999年から続いているピアノのヘルゲ・リーンとデュオ活動をはじめ、ジャンルにとらわれない広範囲な演奏活動を行なっています。
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ブックレット表紙の、瞼にピアスをつけている写真が、いかにも若い自由な奏者、という印象。このアルバムには、メロディらしいメロディや、美しい和音はほぼ皆無。ほとんど即興によると思われる演奏で、クラシックに分類してよいのかちょっと微妙です。あえてここでとりあげたのは、クセナキスが書いたクラリネットとチェロのためのカリスマがおさめられているから。ここではアルト・サクソフォンとコントラバスで演奏されています。冒頭の衝撃音に近い響きにも驚かされますが、奏者をさまざまな手法で追い詰め?極限のサウンドを導こうとする暴力的なスコアに、奏者2人が果敢に挑んでいます。曲の末尾のコントラバスの響きがまた印象的。次のシンジュク・タイム・アウトには to kiri という副題がついていて、アルト・サクソフォンのよる演奏は横笛のような響きが確かに日本的(どうやって演奏してるのかも気になります)ですが、残念ながら解説がないのでシンジュクの意図するところは不明。最後のエヴリデイはバッハのカンタータ「我は満ちたり」を主題に用いて、作曲者とナイストレムの日々の生活から起床時間・練習時間・アルコール消費量(!?)のデータを変動要素として、拍子・演奏時間・テンポ・開始のピッチを指定して生まれた作品(???)。54トラック(!)に及び、そのほとんどが数秒。通常のクラシック音楽の概念とは違う、直感的に音の響きを楽しむようにして聴いてみると、意外とおもしろく聴けるかもしれません(保証はしませんが)。