John=Edward KELLY


1958年サンフランシスコ生まれ。幼少よりサクソフォン、クラリネット、ピアノを学びました。哲学、室内楽と指揮法を学ぶ一方、サクソフォンをジグール・ラッシャーに個人的に師事し、1981年にラッシャーが演奏活動を引退したのに伴ってラッシャーSQのアルト奏者となりました。1982年にドイツに移住、ソロ活動に専念するため1990年にラッシャーSQを辞し、以来南北アメリカ、ヨーロッパを始め世界的に演奏活動を行なっています。また、ロンドンのキングス・カレッジ、ストックホルム音楽院、ヘルシンキのシベリウス・アカデミー、シュツットガルト音楽院など数多くの大学で講演を行なっています。下記にご紹介したアルバム以外にも、録音を発表しています。


Official Site(英語・ドイツ語)


主なアルバム

「Saxophone and Piano 1」

Aurophon 31805 CD
1987/12/18-20 Aufgenommen in Veenendaal, Holland
  1. アルト・サクソフォンとピアノのためのソナタ (カーコフ)
  2. 憂鬱 (バディングス)
  3. 波動 (マロシュ)
  4. アレグロ、カデンツァとアダージョ (グラーサー)
  5. サクソフォンの叫び (マーカ)
  6. アルト・サクソフォンとピアノのためのソナタ (フォン・クノル)

John=Edward KELLY (saxophone)/ Bob VERSTEEGH (piano)

ミュンヘンの音楽プロダクション col legno の現代音楽シリーズからのリリースで、Aurophon のディストリビュート。どの曲も現代的な響きがしていますが、ケリーの演奏はたしかに譜面を着実に音にしているものの、ヴィヴラートが音程に対して下がりぎみなのか、気持ちのよい響きになっていません。まあ、もともとあまり気持ちのよい曲ではないですがね。そういえば、ラッシャー氏やカリーナ・ラッシャーも同じような傾向の音なのを思い出しました。


「Saxophone and Piano 2」

col regno AU 31817CD
1991/4/17 Kammermusikstudio des SDR, Stuttgart
  1. Pythikos Nomos (イライアス)
  2. Dy Skladby (ライナー)
  3. (エリーアソン)
  4. 組曲 (ハーバ)
  5. 鏡を通して、暗く (コックス)

John=Edward KELLY (saxophone)/ Bob VERSTEEGH (piano)

前作同様、すべて現代的な響きのする作品。残念ながら、私自身はこれらの演奏を聴いて、理解はほとんど出来ませんでした。数度繰り返して聴きましたが、部分部分に気になる響きはあるのですが、曲のせいか演奏のせいかそれ以上興味を惹かれなかったのが残念です。(私事ですが)これは精神的に余裕があまりない状態で聴いた私に責任があるのであって、いずれゆっくり聴きあらためたいと思います。


「Saxophone and Piano 3」

col regno WWE 1CD 31891
1994/12/5-7 Kammermusikstudio des SDR, Stuttgart
  1. ゴドゥバ (ロイコ)
  2. 人形劇場 (マロシュ)
  3. カンツォーネ (コイリス)
  4. 不変の変化 (デンホフ)
  5. 地獄の響き (テルツァキス)

John=Edward KELLY (saxophone)/ Bob VERSTEEGH (piano)

このアルバムも前作と一緒に購入したのですが、ほとんど同様の印象です。感覚的にはこちらに収録された曲のほうが、タイトルからも予想できるように神経を直接刺激するのですが、けしてそれが心地よいものではなかった、というのがホンネです。このアルバムも、しばらく時間を置いて聴き改めましょう。


「Ibert Martin Larsson: Saxophone Concertos」

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Arte Nova Classics 74321 27786 2
1991/6/4,6 Snellman-Saal Kokkola, Finland
  1. サクソフォン室内協奏曲 (イベール)
  2. バラード (マルタン)
  3. サクソフォン協奏曲 (ラーション)

John=Edward KELLY (saxophone)
Juha KANGAS 指揮 オストロボスニア室内合奏団

BMG系廉価盤レーベルの Arte Nova からリリースされたアルバムで、そのおかげで 1,000円前後で入手できるのがお得。1991年の録音ということは、ソロ活動に専念して早々の時期になります。どの曲もフラジオ音域バリバリで、かなり無理している気もしますが、安いから許しましょう。オケと指揮者がしっかりしてるので、その分ソロのアラが目立ってしまうのかもしれません。高音域の不安定さをのぞけば善戦してるかな。マルタンラーションは名曲にもかかわらず、演奏困難なせいか?録音が少ないので、クラシカル・サクソフォン通を自認するアナタは、お値段もお手ごろなので是非買ってください。オススメ度はお値段に免じて大甘。

オススメ度:



「HANS KOX Chamber Music」

ATTACCA Babel 9374 Recorded in 1992-93
  1. サクソフォンとピアノのための幻想曲「鏡を通して、暗く」 (コックス)
  2. ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第4番 (コックス)
  3. チェロとピアノのためのソナタ (コックス)
  4. ピアノ・ソナタ第2番 (コックス)
  5. 弦楽4重奏曲 (コックス)

John=Edward KELLY (saxophone) [a]
Bob VERSTEEGH (piano) [a-d]
Eeva KOSKINEN (violin) [b]
Mirel IANCOVICI (violancello) [c]
ユトレヒト弦楽4重奏団 [e]

オランダのレーベルからリリースされている、オランダの現代作曲家ハンス・コックスの作品集。その音楽は、ミニマリスムをはじめ現代的手法を用いて、ウェーベルン風の音楽といっていいのか、、正直なところ私にはよく理解できません(爆)。現代音楽を得意とするケリーはすでに100曲以上の初演作品があるそうですが、コックスからも6曲の新曲を献呈されているそうです。なお、おそらくこの音源は Saxophone and Piano 2 と同一と思われますが、さきにこちらのアルバムを紹介してしまっていたので(苦笑)



「Nordgren Concertos」

Finlandia CD 3984-2339-2 (WPCS-10562)
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  1. チェロ協奏曲第3番 (ノルドグレン)
    Marko YLONEN (cello)
  2. アルト・サクソフォン協奏曲 (ノルドグレン)
    John=Edward KELLY (saxophone)
  3. ホルン協奏曲 (ノルドグレン)
    Soren HERMANSSON (horn)

Juha KANGAS 指揮 オストロボスニア管弦楽団

東京藝術大学に留学経験のあるノルドグレンは、5つの交響曲、9つの協奏曲を始め、「小泉八雲の怪談によるバラード」など不思議な?曲を含む多数の作品を精力的に発表しています。この中には、サクソフォンの協奏曲が2曲含まれており、ここにはop.92が録音されています。(もう1曲、やはりケリーが初演したファンタズムop.81はトゥオミサロの録音が入手可能です)。ソリストとしてケリーが想定されていることが明確なこの協奏曲、ソロは終始超高音域と低音の連続。5-5-4-3-2の少数精鋭の弦楽器と織り成す音響空間は、難解ですが濁らない音響構成を繰り広げます。けして聴きやすい曲ではありませんが、再演されるべき曲と思いました。ホルンとチェロの協奏曲も同様で、特に3曲目となるチェロ協奏曲は、ショスタコーヴィチの影響を大きく感じさせ、興味深く聴きました。

国内盤は2000年にリリースされましたが、現在は国内・輸入盤とも入手困難のようです。


「Allan Pettersson Symphonies Nos 5 & 16」

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CPO 9992842
  1. 交響曲第5番 (A.ペッテション)
  2. 交響曲第16番 (A.ペッテション)
    John=Edward KELLY (saxophone)

Alun FRANCIS 指揮 ザールブリュッヘン放送交響楽団

初演者ヘムケ+アーロノヴィチ/ストックホルム・フィル以来のレコーディングとなる、ペッテション16番。ケリーはこの作品を録音するにあたり、サクソフォンのパートについて検討を充分重ねた結果、音域面をはじめサクソフォンの機能を充分に活かした譜面に改訂し演奏しています。その結果、ヘムケ盤とはかなり違った音楽となりました。オケの響きがやや細めで、曲の重厚さ、晦渋さはやや交替していますが、その分見通しのよい音楽が展開されています。ペッテションの音楽を、現代的に解釈するとこうなるのでしょうか。。

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