原 博巳


1975年生まれの若手奏者。東京芸術大学音楽学部別科、東京ミュージック&メディアアーツ尚美を卒業、服部吉之、冨岡和男両氏に師事しました。日本管打楽器コンクール優勝、そしてベルギーのアドフル・サックス国際コンクールで2002年に(日本人初の)第1位!という華々しい経歴を持っています。現在、東京や函館を中心に活動中。プロフィールや最新のコンサート情報など、詳しくは以下のページをチェック!

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主なアルバム


「森の静けさ」

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Cafua CACG-0048
2003/2/18-20 秩父ミューズパーク音楽堂(埼玉県)
  1. ワルツ形式によるカプリス (ボノー)
  2. オンブラ・マイ・フ〜歌劇「セルセ」より (ヘンデル)
  3. 抒情小曲集より (グリーグ)
  4. 白鳥〜動物の謝肉祭より (サン=サーンス)
  5. ヴェニスの謝肉祭 (ドゥメルスマン)
  6. G線上のアリア (バッハ)
  7. チャルダッシュ (モンティ)
  8. 小組曲 (ドビュッシー)
  9. インヴェンション〜忘れっぽい天使より (吉松隆)
  10. 融けてゆく夢〜ピアノ独奏曲「アルリシャ」より (吉松隆)

原 博巳 (saxophone)
伊藤 亜希子 (piano)

(公式)デビュー・アルバムは地元 CAFUA からのリリース。小品が主ですが、クラシックとして有名な小品からサクソフォンのオリジナル、変化球まで無理なくプログラムされています。コンセプトゆえか?頭4曲が須川氏のデビューアルバム収録曲と重複してしまったのはご愛嬌でしょう。曲によって、ソプラノ/アルト/テナーを持ち替えたり、表現する方法は異なっていても、原氏の演奏姿勢は一貫しており、聴く立場としては安心してその演奏に対峙することができます。中でもヴェニスの謝肉祭チャルダッシュでのテクニックの冴えはみごと! さらに軽快さや微妙なニュアンスの変化を感じ取りたいとも思いますが、これは残響を多くとらえた録音ゆえか? CDデビューを機にさらなる活躍を期待しています。

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「P.C.F.」

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Cafua CACG-0067
2004/9/7-9 秩父ミューズパーク音楽堂(埼玉県)
  1. 嬉遊曲 (ブートゥリ)
  2. ソナタ 嬰ハ長調 (デクリュク)
  3. 前奏曲、カデンツァとフィナーレ (デザンクロ)
  4. ミステリアス・モーニングIII (棚田文則)
  5. サクソフォン・ソナタ (デニソフ)
  6. 牧歌的ソナチネ (ソーゲ)

原 博巳 (saxophone)
伊藤 富美恵 (piano)

本格的なサクソフォンのためのオリジナル作品がならぶ2枚目のアルバム。それも、フランスのアカデミックな系譜の曲を、古典から先鋭まで網羅した意欲作です。演奏は前のアルバム同様、終始真摯。そして特筆すべきはそのテンションの高さ。これだけ確かな技術があるのだから、少しくらい遊んだり余裕を、とも思ってしまうのですが、あえてそれを排して謙虚に真面目に音楽に取り組んでいる様子が伝わってきます。特に奇妙な朝デニソフの現代的な響きの作品で、その特質がいい方向に働いているように感じました。もちろん、アルバムタイトルとなっている前奏曲、カデンツァとフィナーレ(CD表記はフランスの発音による「…カダンスと…」となっています)も圧巻の演奏。次のアルバムで原氏が方向を提示してくれるのか、今から楽しみです。

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「Recitativo Fantasia」

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Cafua CACG-00144
2009/9/15-17 秩父ミューズパーク音楽堂(埼玉県)
  1. カンツォネッタ (ピエルネ)
  2. コラール・ヴァリエ (ダンディ)
  3. コペリウスの夢 (シュミット)
  4. ファレーズ (鈴木純明)
    橋本 晋哉 (tub) / 久保 智美 (オンドマルトノ)
  5. ヴァイオリン・ソナタ (フランク)

原 博巳 (saxophone)
野原 みどり (piano)

原氏5年ぶりのソロアルバムはフランクのソナタをメインに、コンテンポラリー作品1曲と、フランスの古典的な作品で構成されています。原氏の演奏というと、テンションが高くて完成度が高いという印象が強かったのですが、今回のアルバムはその印象を踏襲しつつ、さらに曲の様々な表情が演奏の隅々から聴こえてきます。カンツォネッタでは、けして羽目を外さないのに、軽妙洒脱さが漂ってきます。コラール・ヴァリエコペリウスの夢では、ゆっくりした曲想の一瞬一瞬に深淵をのぞき込むような奥行きを感じます。ファレーズでは、チューバとの音の対比がユニーク。そしてメインのソナタは、サクソフォンで演奏しているということを忘れてしまいそうな、実に自然な演奏。それは卓越した技巧に支えられているわけですが、その技巧を感じさせません。

この演奏をさらにすばらしくしているのが、野原みどりさんのピアノ。骨太の演奏で原氏と一緒に音楽のアクセルの踏み込み加減を自在に操っています。サクソフォンの演奏ということを抜きに、クラシックとして十分すばらしいCDといっていいでしょう。

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「原博巳 クラシックサクソフォンリサイタル」

ハクミ音楽事務所 VSP-0008
2000/6/25 函館市金森ホールにおけるライヴ [a-i]
  1. 愛の挨拶 (エルガー)
  2. ラルゴ (ヘンデル)
  3. プルチネッラ (ボザ)
  4. アルペッジョーネ・ソナタ (シューベルト)
  5. サマータイム (ガーシュウィン)
  6. ブルー・カプリス (モロスコ)
  7. タンゴの歴史 (ピアソラ)
  8. G線上のアリア (バッハ)
  9. 6つのタンゴ・エチュードより (ピアソラ)
  10. 2本のアルト・サクソフォンのためのコンチェルト・シュティック (ヒンデミット)
  11. ワルツ形式によるカプリス (ボノー)

原 博巳 (saxophone)
伊藤 亜希子 (piano) [a-g]
林田 和之 (saxophone) [i]

函館で行なわれたリサイタルを収録した自主制作のCD。ボーナストラックとして、放送用に録音された音源が最後に2曲含まれています。ライヴということもあり、全体にテンポが速く、テンションの高い演奏が続きます。なかでも演奏会のメインと思われるアルペッジョーネ・ソナタは、演奏者の鼓動の大きさが聞こえてくるような熱演です。またブルーカプリスでは聴いているほうまで思わず息を呑んでしまうような集中力! 全体の印象としては、もう少しほっとするようなゆとりがほしかったです。特に、愛の挨拶のような、音楽の流れに身をゆったりと身を浸したいような曲ではそれを感じました。

一方、スタジオ録音の2曲は非常に完成度が高く驚きました。特にヒンデミットでは、若手同志が節度を持ちつつ丁丁発止、自在に音楽を繰り広げています。また、とかくアクロバティックな面を強調した演奏を聴くことの多いボノーでは、清潔感のある演奏に仕上がっていて好感を持ちました。この2曲を聴くだけでも、このCDを聴く価値があると思います。

このCDの入手は原氏の公式ページでどうぞ。ところで「ハクミ音楽事務所」って、博巳の音読み?

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S.メリロ ゴッドスピード! 土気シビックウィンドオーケストラVol.5

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Cafua CACG-0019
2001/2/11-12 東金文化会館(千葉県)
  1. ゴッドスピード! (メリロ)
  2. プラトンの洞窟からの脱出 (メリロ)
  3. ラテン・フィエスタ (鈴木英史編)
  4. バラード (リード)
  5. オペレッタ「メリー・ウィドウ」セレクション (レハール)
  6. ペルシス (ホゼイ)
  7. かなわぬ夢 (ショーンベルグ)
  8. 交響詩「ティル・オイゲンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (R.シュトラウス)

原 博巳 (saxophone) [c,d]
加養 浩幸 指揮 土気シビックウィンドオーケストラ

吹奏楽コンクールなどでもめざましい活動を続けている、土気シビックウィンドオーケストラの5枚目のアルバム。さすが5枚目ともなると手馴れた?もので、あふれるスピード感・スケール感はさすが。このアルバムでは土気CWOが好んで取り上げてきた、アルバムタイトルにもなっているスティーヴン・メリロの作品をはじめ、ヴァラエティにとんだ選曲となっています。原氏はラテン・フィエスタバラードの2曲に参加しており、バンドの音色と同様にフレッシュで勢いのあるソロを繰り広げています。バラードは下地氏のソロによるリード/佼成ウィンドの演奏がありますが、下地氏の演奏が熟成された赤ワインなら、原氏の演奏は程よくスッキリ仕上がった白ワインのよう。どちらがいいかは、お好みで、、、

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