カリフォルニアを中心に活動しているサクソフォン奏者で、ピアノ奏者のイヴァン・ローゼンブラムと「The Wolford-Rosenblum Duo」を組んでいます。サンホセ州立大学とカリフォルニア州立大学を卒業、シーグルト・ラッシャー、ヴィクター・モロスコ、リランド・リンカーンに師事しました。今まで、ジェネヴァの国際音楽コンクールやサンフランシスコ交響楽団ペプシコーラ/ヤマハ・コンテストなどでファイナリストに残っています。リサイタルではサクソフォンだけでなく、電気楽器(WX7 Wind Controller)も積極的にとりいれています。
下記に紹介したアルバム以外に Nuclear Whales Saxophone Orchestra の録音に参加しています。
セルフ・プロデュースによるアルバム。サブタイトルどおりバロックから現代曲、ジャズ・ブルースの要素の強い曲まで幅広いレパートリがまとめられています。もう少し大胆な表現があるとおもしろいのですが、ソナタ・イン・ジャズはジャズとクラシックのイディオムが控えめながらバランスのとれている好演ですし、シティ・コールド・ヘヴェンも淡々した演奏がモノクロ写真のような味わいがあり、ユニークな仕上がりです。そんな中で、子守歌はほっとする雰囲気が出ていて、エンディングにふさわしい演奏になっています。なお、サンプル音源を彼らの Web Page で聴くことができます。
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Centaurレーベルからリリースされたコンサート形式のアルバム。ユダヤの民俗音楽と言うべきクレツマーなどの旋律や、ユダヤに因む曲が並べられており、その響きはどこか東洋的でもあり、また曲によってはダンサンブルでエキゾチックな雰囲気に溢れています。もちろんここでは純音楽的なアプローチと息のあった演奏が繰り広げられていて、なかなか楽しめました。聖書の登場人物をタイトルにしたエフタはラッシャー父娘に献呈された作品で、グオゼズによる演奏や、同じくグオゼズによるオーケストラ伴奏版と聴き比べてみましたが、ウォルフォードの演奏はより迫真。またアイ・ネヴァー・ソウ・アナザー・バタフライではテレジン強制収容所にいた子供たちの詩に基づいた曲ですが、始めから終わりまで続く緊張感の間から否応なくメッセージが伝わってきて考えさせられます。そのあとに演奏されるエリ・エリが追悼歌のように耳に優しく/哀しく聴こえ(きっと演奏者の思惑どおりなのでしょうけど)心に残ります。調べてみたら、この Eli Eli というタイトルはイエス・キリストの最期の言葉だったんですね。最後に配された、ユダヤ系アメリカ人であるアーヴィング・バーリンの2曲は、ブラックジョークが利いていて楽しめました。さらに細部まで磨きがかかればさらに説得力が高まると思いますが、しかしアルバムとしては充分満足できるものでした。
なおシュトゥットル・ソングはピアノのローゼンブラムの作品で、前作にも収められていますが、このアルバムでは2曲のみ抜粋となっています。
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