アメリカをはじめ、ヨーロッパ、アジアでもコンサートを行なっているヴォルフェはユージン・ルソーに師事しました。アメリカ内外の管弦楽団と共演する一方、The New Millenniue Ensemble や Duo Elegante (ギターとのデュオ) などの室内楽にもとりくんでいます。パリ音楽院やインターラーケンのサマー・キャンプでマスタークラスを開講し、また、サクソフォン・ジャーナルを始め各種の執筆も担当しており、後進の育成にも力を注いでいます。詳しい経歴は、公式ページをご覧ください。なお、ヤマハの楽器に Bamber のマウスピースを使用しています。
以下のアルバムのほか、America's Millenium Tribute to ADOLPHE SAX にも演奏が収録されています。
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うーん、ついに出ました。サクソフォンによる「4'33"」。出るべくして出た、というべきか。。
このアルバムは最初から最後までストイックに構成されており、CDにはレターサイズ20ページの「Music as Metapher」と題した詳細な解説がついてきて、ヴォルフェのアジア指向、もっと正確にいえばインド哲学への傾倒がアルバム全体を強く支配していることが推察されます。その傾倒ぶりはヴォルフェの公式ページでも伺い知ることができます(特にトップページの写真!!)。
アルバム・タイトルにもなっている1曲目リフティング・ザ・ヴェールは副題が新千年期を祝うナレーション音楽と題し、西洋・東洋(というか、インド)の音楽語法を交えた曲で、サクソフォンは即興を含めたセクションを担当します。プラーター・スマラナ・ストトゥラ(原題Praatah Smarana Stotra)はサクソフォンは使われず、ヴォルフェはサンスクリットの教典?のバックでタンプーラという楽器?を演奏していて、解説によれば「目をつぶってこの曲を2回聴き、次に4'33"を聴く」よう指示があり、こうすることで、4'33"の聴こえかたが替わってくるとか。。。。続く二重録音によるモーツァルト、バス奏者と演奏されるバッハはいわゆる西洋音楽の帰結と位置づけられ、次に不死回生を意味するフェニックスという題の曲が続く、というように、どこまでもストイックなアルバムです。こういった能書きをあえて無視して聴いたとき、それ以上に魅力が感じられるかどうかは聴く人次第なのでしょう。私自身はあまり繰り返し聴きたいとは思いませんでした。
なお、このCDはArizona University Recordingsでオンライン購入することができます。