イリノイ大学オースティン校を卒業後、渡仏し、パリ国立音楽院を1990年に一等賞を得て卒業、この間デファイエやピテルに師事しました。特にヴェローヌ、タイユフェールなどの作品の紹介を積極的に行なっており、国内外のフェスティヴァルでの演奏をはじめアメリカとヨーロッパを股にかけて活躍しているようです。ジャケット内の写真は、髭をたっぷりたくわえた、貴公子然とした風貌です。なお、楽器はセルマーを使用しています。
アルト・サクソフォンによる無伴奏チェロ組曲への挑戦。バリトンによる演奏はオクスフォードやファン=トゥイラールトによる演奏がありますが、アルトというのは私は初めて聴きました。やはり、アルトという楽器の機動力のせいか?全体にテンポが早めで快活な印象を受けました。しかし、低音ファンとしてはやはりアルトだとちょっとものたりないところ(苦笑)。いや、もちろんここに繰り広げられている演奏は、今までの重心の低い演奏から解放された、純粋に音が幾何学的に展開され音楽として昇華していく喜びが感じられて、楽しめました。このアルバムは Vol.1 として第3番までが収められており、Vol.2 のリリースが待ち遠しいです。
オススメ度:
ウェージュと前田炎、および前田氏率いるソプラノ5名のアンサンブル茜による、ジャン・ティレリー・ボワッソーのアルバム。作曲者のこの演奏者は非常に親しい間柄にあり、このアルバムも実質的に作曲者・演奏者のコラボレーションアルバムと言ってもよいでしょう。わずか30分ほどの収録ですが、タイトルを見る限りかなり興味津々な内容です。タイトルも「東京のアメリカ人」「新今昔物語」「コーカサス横断」ですし、、、(他にも「江戸の亡霊」なんて曲を書いているようです。)タイトルから想像できるように、西洋音楽をベースにしながら、時々あれっと思うような音の使い方がされているのが印象的です。正直、繰り返し聴いても私には充分理解できませんでしたが、、ただ、上のアルバムにもいえるのですが、解説らしい解説が一切ついておらず、CDのジャケットは片面印刷二つ折り、しかも字が少しつぶれているというありさま。いくらなんでも、このあたりもう少し手をかけてほしいなぁ。。
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タイトルどおり現代音楽を集めた、イタリアのレーベルからのアルバム。現代音楽とはいっても、ゴリゴリした曲はいっさいなく、流行の言葉でいえばヒーリング的要素を持ったとでもいうか、聴いていて和やかになる曲ばかりです(多分に偏見あり)。フルートやハープ、リコーダという楽器編成にもよるのでしょうか。しかも、演奏者・レーベルがイタリア(ウェージュは違いますが)のせいか、どことなくアバウトで、隙が感じられるのも、ますます脱力感を促進している、ような気がします。フルートやリコーダという、エッジのあまり利かない楽器のせい、という要素もあるかも。この中でニューヨーク・カウンターポイントはきっちり演奏されていますが、聴いているうちに、だんだんビートにノッてしまいそうになる人懐こい雰囲気が漂ってます。
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ピアノ2人4手のための作品を集めた、プーランク以外の2曲は世界初録音という、資料的側面も高いアルバム。パリ中央音楽院管弦楽団、ということでオケの華やかな音色も期待したのですが、スピーカから流れてきた音はややデッドな録音で、あれれっ??という印象。木管楽器(クラリネット?サクソフォン?)のピロピロという高音は音程が低いし、う〜ん。ということで冒頭から鑑賞の気分がそがれてしまったというのが正直な感想です。タイユフェールやプーランクではもっと上品なエスプリを感じたかったです。ちなみに、ウェージュはタイユフェールで、XASアンサンブルとしてソプラノを担当していますが、、ほとんどサクソフォンらしい音色が聴こえてこなかったのは、、、私の耳のせい、でしょう。。
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1998年に亡くなったフランスの作曲家、ティスネの作品を集めたCD。どの曲もいわゆる現代音楽ですが、暴力的に響かず、身近な音楽に聴こえたのが新鮮でした。このうち、ウェージュはソロ1曲を含む3曲に参加しています。終始オーケストレーションの薄いオーロラの夜は、ソプラノ・サクソフォンとヴァイオリンが優しくささやきあっているようです。