渡辺 貞夫


押しも押されぬ、日本を代表するジャズ・サクソフォン奏者。ジャズ奏者とはいえ、フュージョン風の親しみやすい曲から、ラテン色、アフリカ色の強いジャズまでこなし、また時にはフルート(そもそもクラリネット出身だそうです)まで持ち替える多才ぶりは、いまさら私がコメントするまでもないでしょう。かくいう私も、ライヴハウス初体験が、たしか渡辺貞夫氏でした。しかし、至極まっとうなクラシックも演奏することができる、日本で数少ない?ジャズプレーヤということはあまり知られていないかもしれません。

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主なアルバム


「湯山昭の音楽の窓 とっておきの器楽曲」

King KICC427
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  1. ヴァイオリンとピアノのための小鳴奏曲 (湯山昭)
    外山 滋 (violin) Jan HORÁK (piano)
  2. マリンバとアルト・サクソフォンのためのディヴェルティメント (湯山昭)
    渡辺 貞夫 (saxophone)吉川 雅夫 (marimba)
  3. 子供のための交響組曲 (湯山昭)
    岩城宏之 指揮 フィルハーモニー交響楽団

ほんの少しだけれど合唱の世界に足を突っ込んだことのある私にとって、湯山さんの名前はかなり親しみのある作曲家の一人(むちゃくちゃなたとえだと、吹奏楽ファンにとってのアルフレッド・リードさんみたいな??)。数多くの合唱曲、特に「葡萄の歌」をはじめとした女性合唱曲に印象の深い曲が多くて、ああ、ユヤマさんってガッショウのヒトなんだな、と勝手に思ってました。それだけに、作曲活動50周年(1953年にこのCDにも収録されている小奏鳴曲で第22回音楽コンクール作曲室内楽部門1位入賞)を記念して再流通となったこの「器楽曲」アルバムはちょっと意外でした。しかし、実際に曲を聞いてみると、若い頃の作曲が多いせいか、とにかく感性が瑞々しい曲ばかりで楽しめました。

注目のディヴェルティメントは、なるほど渡辺貞夫氏らしい?素直で単刀直入な演奏。常にテンションは高く、曲に真っ向勝負で取り組んでいる様子が伝わってきます。さらに細やかな表情やしなやさを感じたかった、というのがホンネですが、しかしこのような表現もありかな、と思わせる、説得力を備えた演奏でした。

ちなみに子供のための交響組曲もサクソフォンを含んだ、タイトルどおりチャーミングかつ内容のある曲で、これも一聴に値する内容です。末永くこのディスクが流通することを期して、、

オススメ度:

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