オランダで活動するサクソフォン奏者。マーストリヒト音楽院を卒業後、オルガンやアコーディオンとのデュオ活動を中心に活動しています。また、サクソフォンのための作品をはじめ、吹奏楽等の作曲活動を行なっています。
サクソフォンとアコーディオンというユニークな編成によるアルバム。おそらく定常的にこの編成で活動しているのは他に例をみないのではないでしょうか。この編成なら、コンサートホールでなくても、たとえば屋外でも演奏できますね、、考えてみればアコーディオンは鍵盤楽器とはいえ一種の管楽器なので、サクソフォンとアコーディオンという組み合わせはサクソフォンとオルガンの組み合わせの延長で考えられるかもしれません。
さて、肝心の演奏ですが、アコーディオンというキッチュな楽器(失礼!そんなことを言ったらサクソフォンだって十分キッチュと言われますね)のイメージではなく、落ち着いた、しかし機動力のある音楽に仕上がっています。時に軽やかに、時に重厚なその響きはなかなかユニーク。アコースティックなピアノの音に対して、アコーディオンは音に長さがあり、それがサクソフォンの音と重なると多彩な表現ができることを、このCDから感じ取ることができます。中でも5つのやさしい小品がファンタジックな雰囲気を漂わせています。またアコーディオン奏者プラウムによる小さな蝶やヴェーヒエル氏自作による民族的なソナタも、さすがにこのデュオの特徴を知り尽くした上で作曲された曲だけに、楽しく聴くことができました。
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