The National Saxophone Choir of Great Britain
- Nigel WOOD, soprillo saxophone
- Fraiser PATTERSON, sopranino saxophone
- Helen Finch, Debbie SARGENT, Victoria BENHAMIN, Clair TOMSETT, Sally MACTAGGART, soprano saxophone
- Catherine EVISON, Lauren HOGG, Helen LUCKMAN, Theresa TRAYNOR, Michelle MELVIN, Kimberley SQUIRE, Alex HOLMES, Winston YAP, alto saxophone
- Jenny PALFREYMAN, Gemma WILD, Matthew LONDON, Deborah HUTT, Helen GRADY, Lindsey SMITH, Clare MACKNEY, tenor saxophone
- Michael BROGAN, Greg DOWNING, Jenny ASHLEY, Ruth MORRIS, Alison BRYANT, baritone saxophones
- Dominic LAWSON, bass saxophone
- Julia CADMAN, tubax
- Simon BULL, contrabass saxophone
- Trevor BARTLETT, percussion
ソプリロ(ソプラノの1オクターブ上)からコントラバス(バスの1オクターブ下)まで9種類の楽器が揃ったという、総勢29名のアンサンブル。アメリカのニュークリア・ホエールズ・サクソフォン・オーケストラでも8種類の楽器ですから、これはもう世界最大の、定常的に活動するサクソフォン・クワイヤーといっていいでしょう。2007年にはイースタン・プロミスと称して21名編成で香港・北京ツアーを敢行したとのこと。せっかくだから日本にも寄ってほしかった(笑)。主に軽めの曲を中心にショウ・パフォーマンス的な演奏を行なっているようです。
主なアルバム
「Sax in the City」
(private?) NSC CD 1 r.2005
- トッカータ (バッハ)
- ケルティック組曲 (ホワイトロック)
- アンダー・ザ・ヴェール (N.ウッド)
Gerakd McCHRYSTAL (alto saxophone)
- アリア「救いたまえ」〜マタイ受難曲より (バッハ)
- ハーレクイン・ダンス (K.アンダーソン)
- サックス・イン・ザ・シティ (C.クラブ)
Colin CRABB (alto saxophone)
- 古城 (ムソルグスキー)
- オルファナータ (N.ウッド)
- パラダイス・サーカス (トゥイード)
- エクローグ (ブトール)
Nigel WOOD (soprillo saxophone)
- ミセス・マルコム (インガム)
- ザ・ローン・アレンジャー・ゴー・サックス・マッド! (ブトール)
2005年のエジンバラ・フリンジ・フェスティヴァル前に録音されたアルバム。フリンジというのはエジンバラ国際フェスティヴァルの周辺で行なわれる自主公演の数々のことで、ある意味自主参加で、まさにこのような編成での参加にふさわしい場です。録音があまりよい状態でなく、全体の響きを楽しむというレベルではなかったのが残念ですが、要所要所でソリストを迎えてプログラムにメリハリがついており、そのソリストならではの演奏を楽しめるのもまた一興です。最後の曲は、もともとSATBんの編成で書かれた曲ですが、ここでは(多分)ソプリロ・ソプラニーノ・ソプラノ・アルトの一オクターヴ上の楽器による演奏。曲芸的で楽しいアルバムではあります。
「Sax to the Max !」
(private) NSC CD 2 r.2006
- ザ・ローン・アレンジャー・ゴー・サックス・マッド! (ブトール)
- ビッグ・レッド (A.スコット)
- カーニヴァル (K.ストリート)
- エグロガ (モールズ)
- ワルツィング・ソフィルダ (ブトール)
Nigel WOOD (soprillo saxophone)
- ホエア・スピリッツ・アンド・デーモンズ・ダンス (N.ウッド)
- クレージー・ラグ (マティシア)
- 協奏曲 (ペイン)
Catherine EVISON (alto saxophone)
- ニムロド〜エニグマ変奏曲より (エルガー)
- シュトランド・シークェンス (シュトランド民謡)
2006年のエディンバラ・フリンジ・フェスティヴァルへの参加を前に録音されたアルバム。前作よりも録音状態もよく、ソプリロからコントラバスまで揃ったサクソフォン・クワイアの、おもちゃ箱的な響きを楽しむことができます。1曲目ローン・アレンジャー…は、1枚目のCDの最後の曲をナイジェル・ウッドが大編成に編曲しなおしたものが使われています。有名なウィリアム・テル序曲を軸にして、様々な曲のメロディをこれでもかと詰め込んだパロディ曲ですが、ルール・ブリタニアから、ハンガリア民謡などなどイギリスらしい曲を中心にちょっと数えただけで30曲ほどのメロディが詰め込まれています。
このアルバムの一番の聴きどころは、ソプリロ(ソプラノの1オクターブ上)サクソフォンの協奏曲ともいえるワルツィング・ソフィルダでしょう。タイトルをみてピンときましたか? オーストラリアのワルツィング・マチルダのメロディによる変奏曲(そういえばオーストラリアはイギリス連邦だっ!)、ピッコロとEsクラリネットを足したような響きのソプリロが、ワルツ、社交ダンス、お約束のジャズワルツまで、実にエキサイティング。アンコールのように収められているシュトランド・シークエンス、演奏者が一番楽しんでいるのではないかという仕上がり。全体に技術的には荒いところもありますが、サクソフォン・クワイアの魅力の一面を感じることができる楽しいアルバムです。
オススメ度:
「Sax Circus」
Saxtet Publications NSCCD3
2010/3 Weoley Hill Village Hall, Birmingham, U.K.
- 歌劇「魔笛」序曲 (モーツァルト)
- シモンズ・マングローヴ・グルーヴ ()
- マイ・ボニー・ボーイ ()
- サックス・サーカス ()
- ビートアップ・ブギ ()
- デューンディー ()
- ダウズ・フェイヴァリット ()
- キューバ序曲 (ガーシュウィン)
- ボヘミアン・ラプソディ ()
- ボレロ (ラヴェル)
- 虹の彼方に (アーレン)
この団体3枚目のアルバムのオープニングは、モーツァルト。これまでのアルバムよりも、全体の響きがまとまっているように感じます。内容は相変わらずクラシックからブギまで(おっとボヘミアン・ラプソディまで!)、ヨーロッパから太平洋まで、多様なスタイルの曲がこれでもかとばかりぎゅっと一つのアルバムに収まっています。個人的には以前のような、おもちゃ箱ひっくり返し系のサウンドの方がこの団体らしいとも思うのですが、これはこの団体なりに進化した結果のサウンドなのでしょう。キューバ序曲の陽気でポップでちょっとゴージャスな響きが一番楽しめました。
オススメ度: