オーストラリアの女性サクソフォン/クラリネット奏者。シドニー音楽院でサクソフォンとクラリネットを専攻、その後アメリカ・ヨーロッパでも学びました。シドニー交響楽団の主席客演クラリネット奏者として活動の後、再び渡欧し、イギリスのギルドホール音楽・演劇学校で即興と作曲を学びました。現在はフリーランスの奏者としてザ・セイムア・グループのレギュラー・メンバに参加、シドニー交響楽団にソリストとして登場する他、オーストラリア・アンサンブル、キャンペラ・ウィンド・ソロイスツなどの室内楽にも積極的に参加しています。また、ニューカッスル大学・大学院でサクソフォンおよびクラリネットの講義を担当しています。
Check it amazon.com ! |
アマゾンでこのCDをチェック! |
主にオーストラリアの作曲者によるサクソフォンのオリジナル曲を集めたアルバム。中でもダブル・ドリーミングはこのアルバムのために書かれた曲で、作曲者自身がピアノ伴奏として参加しています。タイトルは、おそらく2つの楽器それぞれの奏でる音を意味しているのでしょうか、この録音でも作曲者の力強いピアノにサクソフォンが舞っているようです。またマターズ・アライジングはスミスが所属するザ・セイムア・グループの伴奏を得て、バリトン・サックスのソロからテナー、アルト、ソプラノと来て、さらにクラリネット、バスクラリネットまで持ち替えるという曲。これは是非実演で聴いてみたいものです。そもそも、ザ・セイムア・グループが弦5本+イングリッシュ・ホルン2本+バス・クラリネット2本+コントラバスーン1本、という異様に重心の低いサウンドで、木管低音ファンとしてはたまりません(笑)。
一方、冒頭のビ・バップはサクソフォンとヴィヴラフォンの2重奏です。ユニゾンの部分が多く、サクソフォンの闊達な動きにヴィヴラフォンの音色が柔らかくも鋭角的に聴こえて、組み合わせの妙。ところどころに入るヴィヴラフォンの和音が、そのユニークなサウンドにスパイスを振りかけたような新鮮な効果を出しています。全体に、あまり刺激的な不協和音はなく(私が慣れただけか?)、技術的には若干不満もあるものの、十分楽しめるアルバムです。