1937年、デトロイト生まれで、現在もなお奏者として活躍しています。レスリー・バセット、アレック・ワイルダー、カレル・フサなど著名な作曲家とも交流が深く、多くの作品を世の中に送り出してきました。また、教育者としても有名で、1969年のワールド・サクソフォン・コングレスのチェアマンに選ばれました。1974年からミシガン大学の教授を務める他、イサカ大学、ウィスコンシン大学を始め多くの大学で教鞭をとり、多くの優秀な奏者を育て上げています。
以下で紹介しましたが、American Music for SaoxphoneがようやくCD化されました。あとはぜひダールの協奏曲を是非CD化して欲しいのですが、、60を越してもレコーディングに参加するなど、年齢を感じさせない精力的な活動を行なっています。
シンタ氏1965年の録音がようやくCD化されました。通常の録音に加えて、ボーナス盤?として、リハーサルCDと称した、サクソフォンとピアノが左右のトラックにわかれている盤の2枚のセットになっています。簡易的なミュージック・マイナス・ワンというところでしょうか。タイトルどおり、アメリカ製のサクソフォンのオリジナル曲でプログラムが組まれておりけして音質的には良好な状態ではありませんが、新鮮で鋭敏な感覚(録音当時まだ20代!)と、その一方で何ものにも動じない確固たるスタイルを確立した不思議なバランスの上に成り立つ音楽が聴こえてきます。特に緩徐楽章でのナイーヴな音楽作りは、ゾクっと感ますね。アメリカのサクソフォン史上重要な録音であることはもちろん、現代にも通じる普遍的なベースに立った演奏であることを、あらためて認識させられました。
某中古CDショップで発掘。日本の誇る世界的なマリンバ奏者、安倍圭子氏が、PAS(国際打楽器芸術協会)賞の受賞を記念してレコーディングしたアルバムに、シカゴ・チャンバー・プレーヤーズ(CCP)のメンバとして、シンタ氏が参加しています。安倍氏はCCPと以前より交流があり、マリンバにオーボエ、サクソフォン、パーカッション2名という変則的な編成のための曲、すなわち安倍氏+CCPの演奏を前提にかかれた曲が録音されています。主役がマリンバということもあり、またもう一本の管楽器がオーボエと言うこともあってか、シンタ氏のサクソフォンは控えめではありますが、アンサンブルの歯車の一つとして音楽の流れを作っている様子は職人芸的です。収録曲の中では太陽の声の推進力の強い音楽が印象的でした。
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タイトルどおり、超絶技巧を要する現代曲を集めたアルバム。録音年からもわかるとおり、当初LPとしてリリースされたもののCD化です。一部、作曲者自身のソロによる曲もあります。どの曲も無調、メロディらしいメロディはなく、即興と思われる音や音色が駆使され、そこに広がっているのは音楽というより「音響空間」と呼ぶほうがいいかもしれません。そんな難解な曲ばかりですが、作曲者のプロフィールも含めた丁寧な解説を丹念に読んでいくと、この音響空間を理解する糸口がつかめてきます。
トロンボーンソロによるジェネラル・スピーチでは、楽器を言葉をしゃべりながら吹き込むという奏法を使っていて、既にトロンボーンの音を超越?した響きが広がります。そんな中、シンタの演奏するバセットの作品は比較的わかりやすい響きで、奏者の技量にも支えられて緊張感を保った音空間を体験することが出来るでしょう。もちろん、ヴィヴラートが少し大きめの、しかしフレンチスタイルとは異なった"シンタ節"そのものも楽しむことができます。
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シンタ氏の職人技が堪能できるアルバムをご紹介。シンタ氏の参加しているクエストはギターとともにサクソフォンがフィーチャーされ、ハープとパーカッションとともに響くサウンドはけしてメロディアスではありません。しかし、適度の緊張感と音楽の流れがあって、惹きこまれていっきに聴きとおしてしまいました。サクソフォンも華美な音色ではありませんが、抒情的な感情を内に秘めたようなその響きは、ギターやハープのサウンドを邪魔することなく音楽全体の流れを加速させています。他の曲もいわゆる現代音楽ではありますが、クエスト同様不思議な魅力を湛えた演奏。この曲を実演で聴いてみたいと思いました。
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オススメ度:
ウォルトンの出世作で、風刺やひねりの利いたファザードですが、実は私、この曲を聴くのは始めてです。特に詩の内容が音楽に大きくウェイトが置かれているようで、この演奏/パフォーマンスの是非については、正直なところお手上げです。すみません。シンタ氏のサクソフォンは、適度にヴィヴラートをかけてサクソフォンらしい音色を出しつつ、他の楽器群から浮き出ないよう華美さを押さえたもの。さすがです。
なお、ファザード第1集・2集のほか、ファザードの詩を担当している英国詩人イーディス・シットウェルの詩11篇の朗読が録音されています。