すみません、このヒトはサクソフォンの演奏者ではなくて、作曲家です。以下のCDをご紹介すべく、タイトルをつけたまでです。あしからず。シャリーノはサクソフォンに興味を持っているようで、ほかに下のCD同様4本のソロとサクソフォン100本のためのLa Bocca, I Piedi, Il Suonoを収めたアルバム、スカルラッティを中心としたシャリーノによる編曲作品が集められたアルバムもあります。
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ミラノはドゥオモで初演された、実験的な要素の強い音楽。声(コントラルト)、フルート4本、サクソフォン4本、打楽器のソリスト群と、フルート・サクソフォン各100人というオーケストラという冒険的な編成になっていて、ブックレットに100名のフルート・サクソフォン奏者全員の名前がのっていて壮観! で、どんな音が出てくるかと思えば、フルートの超高音域のオーヴァーブロウとサクソフォンのスラップ・タンギングが連続し、ところどころつぶやくようなコントラルトやぶ厚いオーケストラの響きがするというもので、最初から最後までメロディらしいメロディどころかいわゆるサクソフォンらしき響きすら出てきません。こう書いてしまうとなんだかオソロシいキテレツな不協和音音楽のようですが、けしてそんなことはなく、聴いているとタイトルどおり自然の営みに耳を傾けているような気になるのが不思議です。
作曲者のサルヴァトーレ・シャリーノは1947年イタリアのパレルモ生まれで、現在イタリアで最も精力的に作品を発表している作曲家といってよいでしょう。