静岡県富士宮市出身、愛知県立芸術大学音楽学部を卒業、サクソフォンを雲井雅人・池田崇明・中嶋英乃に師事。大学在学中に、中川良平が主宰する東京バッハバンドに参加。2006年よりソロリサイタルを開催、現在は名古屋を拠点とするアリオン・サクソフォン・カルテットにテナー奏者として参加、また名古屋ウィンドシンフォニーの団員、一宮市消防音楽隊の委託演奏員として名古屋圏を中心に活動しています。プロフィールの詳細や活動履歴は以下公式サイトをご確認下さい。
ジャケットが、クラシックのCDというよりもどちらかというとアイドルっぽい柔らかい雰囲気(笑)。演奏もジャケットのイメージと違わず、肩の力が抜けていて、普段あまりクラシックに接していない人でも抵抗なく楽しめることができるのではないでしょうか。特に最初の2曲は、まるで歌曲かミュージカルのナンバーのような、口ずさんでしまいそうなきれいなメロディ。そのメロディを素直に朗々と響くサクソフォンが実にきまっています。ギリシャ組曲では曲のリズムや躍動感を意識したのでしょうか、フレージングやアーティキュレーションなどに工夫の跡を感じました。委嘱作品はアルト、ピアノ、コントラバスというユニークな編成で、タイトルどおりこれも親しみやすい内容です。編成がちょっと特殊だけど、こういう曲は積極的に再演してほしいなぁ。
全体にもう少しアグレッシヴな演奏の方が一時的に印象に残るかもしれませんが、佐野さんの演奏は無理をせず等身大の演奏を繰り広げている点に好感を持ちました。仕事が終わって駅から家まで歩きながら、ふっとこのCDを聴けば、一日の疲れから心も体も解放され、斜め上10度くらいに視線を据えて歩きたくなります。
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