齋藤 貴志


1961年、東京出身のサクソフォン奏者。国立音楽大学で大室勇一氏に師事、卒業後渡仏し、ボルドー国立音楽院でサクソフォンと室内楽をジャン=マリー・ロンデックスに、室内楽をジャン・マリー=ラモットに師事、サクソフォンと室内楽で一等賞を得て卒業しました。在仏中インターナショナル・サクソフォン・アンサンブルのコンサートマスターを務めたのを始め、様々な音楽祭や放送に出演しました。帰国後1994年より「現在を聴く」と称したリサイタルを主宰、現代音楽を中心として様々な活動を繰り広げています。


主なアルバム


「絶望の天使」

ALM Records(コジマ録音) ALCD-9046
2003/3/25, 4/13 東京K.T.ホール
  1. 句読点V (鈴木治行)
  2. イマージュの錯綜〜テナー・サクソフォンとコンピュータのために (大村久美子)
    大村 久美子(computer)
  3. ダン・トレッセV〜サクソフォンとコンピュータのために (後藤英)
    後藤英(computer)
  4. 絶望の天使U (伊藤弘之)
  5. eco lontanissimaV〜アルト・サクソフォンのための (田中吉史)

最初から最後まで、齋藤氏が現代音楽に取り組む強い意志(というか、ここまでくるとオーラとでも呼びたい)に圧倒されました。冒頭にスラップタンギング?で始まる曲をもってきたのは意図的でしょうか。音空間の連続性と非連続性を、サクソフォンを用いて表現しようとする句読点Vをはじめ、技術面はもちろん精神面も極限まで追い詰められた曲/演奏の連続に立ち向かうには、聴くほうも相当な体力を必要とします。どの曲も充分に理解できたとは言えませんが、曲の意図する音空間はこのCDで描ききられていることは間違いないでしょう。聴き終わっての印象は「孤高」。ふと見れば帯に全く同じフレーズが書かれていました、、、

個人的にはダン・トレッセVでコンピュータによるキーンという超高音が、ちょっと疲れ気味の脳を直撃して、気分が悪くなってしまいました(笑)それだけ強烈な演奏、ということで(苦しい)

オススメ度:

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