野田 燎


サクソフォン奏者、作曲家、音楽療法家の顔を持つ野田燎氏は、現在大阪芸術大学助教授、相愛大学講師、フランス作曲家協会会員の立場にあります。1972年に大阪音楽大学を卒業後、アメリカのノースウェスタン大学、フランス国立ボルドー音楽院に留学し、ボルドー市名誉賞、フランス作曲家協会賞などを受賞しました。1986年に帰国するまでは、活動の拠点をヨーロッパに置き、演奏・作曲両面で活躍しました。1988年にはアジア文化協議会の招きでニューヨークに渡りました。日本の伝統音楽と西洋現代音楽の組み合わせを課題にしており、代表作には「インプロヴィゼーションI〜III」があり、無伴奏サクソフォンの重要なレパートリとなっています。



主なアルバム


「心を癒すサクソフォーンの調べ 〜生命への伝言1〜」

Victor PRCD 5250
1981/6/26 日仏学院ホール
  1. ソナタ (エクレス)
  2. G線上のアリア (バッハ)
  3. ソナタ第6番 (ヴィヴァルディ)
  4. 間奏曲 〜アルルの女より (ビゼー)
  5. セレナーデ 〜白鳥の歌より (シューベルト)
  6. 金婚式 (マリー)
  7. 白鳥 〜動物の謝肉祭より (サン=サーンス)
  8. ラプソディ・イン・ブルー (ガーシュウィン)

野田 燎 (saxophone)
戎 洋子 (piano) [a,c,e,h]
平尾 はるな (piano) [b,d,f,g]

私の持っている、野田氏唯一のアルバム。1981年ということは、まだ国外で活躍していた時期の録音になります。野田氏の音色は、輪郭がはっきりしていてアーティキュレーションも明快。フランス風の音色ともアメリカのニュートラルな音色とも違う、強い指向性を感じます。心を癒すためには、もう少しホンワカした音色の方がいいような気もしますが、奏でられる音楽は確信に満ちたもので、これはこれで説得力を感じます。収録時間が40分弱というのは、当初LPのための録音だったからでしょうか? 収録曲はクラシック作品の編曲ものばかりなので、次はオリジナル作品、野田氏自身の作品の自作自演を聴いてみたいものです。

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