1965年、ブダペスト生まれのサクソフォン奏者。リスト音楽院ギョール校ででクラリネット、室内楽、教育を専攻して卒業し、1989年にオーストリアに渡りウィーン音楽院でヴルホフニクに師事しました。さらにロンデックス、ボーンカンプ、ワイス、ルソーのワークショップにも参加し、またジャズ奏者のボブ・ミンツァーの指揮で演奏したりという経験も得ています。現在は教職のほか、ギョール・フィルハーモニー管弦楽団の首席ソリストの座にあり、室内楽やジャズ、ワールドミュージックなど多彩な演奏活動を繰り広げています。
タイトルどおり、サクソフォンのためのオリジナルを集めたアルバム。クレストンのソナタをはじめ、比較的演奏機会の多い曲が収録されていますが、このCDを聴いて、音色や奏法のせいか残念ながらはっとするような魅力を感じませんでした。既に名演が数多くあるこれらの曲、やはり、曲に内在するきらきらとした輝かしさをストレートに感じたかったなぁ、、パスカルのソナチネとか、ボノーのジャズのエスプリをもった演奏会用小品など、ユニークな曲が収められているだけに残念です。
ハンガリーのHungarotonからリリースされたアルバムとしては、Nándor GÖTZのものに続いて2枚目。しかしその内容は、ボノーとクレストンの作品集という、なんともマニア向けな、ありそうでこれまでなかった内容です。しかもヴァルス形式のカプリスは、聴く機会の多いプレストの楽章だけでなく、出版でセットになっている1曲目もちゃんと収録されている一方、クレストンは演奏機会が断然多いソナタは前作のアルバムの収録されているためか今回は入っていません(あれ、でもエスプリ、、は入ってるぞ?)。個人的には、クレストンの組曲の録音を聴くことができるのが嬉しい限りです。
奇を衒うことなく、真面目な演奏が繰り広げられており、指は回っているますが、ボノーの曲独特の華やかな雰囲気や、クレストンの持つ曲に内在するリズム感が充分に出ていなかったのが残念です。伸ばされた音の処理や、音程が跳躍したときに感じる不安定さも少々気になりました。
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ありそうでなかった(というフレーズは前のアルバムの紹介でも使ってますね)デュボワによるサクソフォンのための作品を集めたアルバム。デュボワはあまりにたくさんのサクソフォンの作品を遺しているため、ここでは主要な曲ということになりますが、それでも充分名曲を網羅しています。デュボワの曲は単純な技術面のみならず、軽妙洒脱なセンスが問われることから、このアルバムも聴くまではいろいろと懸念をしてましたが、正意外とよかったというのが本音です。これまでも書いてきたように奏法上気になる点がないこともないのですが、軽妙洒脱のうち「軽妙」の部分はかなり上手く演奏されています。さらに音色やダイナミクスの大胆なコントロールが決まれば「洒脱」も感じられるのかな。いずれにしても、コンセプトは非常にすばらしいものがあるので、次作への期待はますます高まりました。
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