アメリカはテキサスの生まれで、ニュー・イングランド音楽院を1976年に卒業し、現在も同校に教授として残っています。この間、ヨゼフ・アルフレッド、ジェリー・ラーナー、テリー・アンダーソン、ダンカン・ハレらに師事しました。ソロ活動では、セルマーの楽器を手にガンサー・シュラー、デイヴィド・アムラム、ジョン・ハービソンなどの数多くの初演を行なう一方、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、デドレスデン管弦楽団、ボストン・ポップス、ピッツバーグ交響楽団、ハリウッド・ボウル管弦楽団、BBCコンサート管弦楽団、台湾交響楽団他の著名オーケストラにソリストとして参加、小沢征爾やクルト・マズアの指揮のもとで演奏しています。
ラドノフスキは現在ドビュッシーのラプソディをはじめ、エリザ・ホールが委嘱を行なった作品のエディションを行なっています。
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ラドノフスキーの演奏活動25年を祝して、ボストン・レコードよりリリースされたアルバム。マクドナルドの作品以外はすべてラドノフスキーに献呈された曲で、どの曲もさすが真摯で隙のない仕上がりです。中でもソナティナの堂々とした演奏と、無伴奏で果敢なピッコロ・スタジオの表現が楽しめました。軽やかさが加わればさらに多彩な表現が可能と思いますが、しかしアルバムにはラドノフスキーのこれまでの取り組みの集大成ともいうべき重みを感じました。
オススメ度:
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これも上のアルバムと同じタイミングでリリースされました。録音は1989年ですからかなり前になりますが、ライヴ録音で比較軽めの曲を中心に収録されています。ただし、上記のうち f,g,h,j はクラリネットで演奏されているので注意! でも、こうして続けて聴き比べると、クラリネットでもサクソフォンでも基本的に同じアプローチで音楽を創っていることが理解できます。全体にどの曲も堅実な演奏で、もっと破目をはずしてほしい〜 と思ったところもありますが、余裕のある適度な歌心にあふれているのは、ベテラン奏者の演奏ならではでしょうか。なおパルティータは表からは曲名が見えず、CDを開封しないと曲名がわからない Mysterious Encore になってます。
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1931年ニュージャージー州生まれの作曲家、ドナルド・マルティノの作品をおさめたアルバム。いずれも20分を超える大作で聴き応えがある内容です。楽園の合唱が作曲年代が古いせいか調性がはっきりした古典的な作風であるのに対して、近作(といっても1987年の作曲ですが)サクソフォン協奏曲は3楽章形式ですが切れ目なく演奏され、旋律がひたすら断片的に現れるだけで私にとってはつかみドコロのない曲なのですが、ラドノフスキの技術は文句なくすばらしく、難解な曲ながらも不安を感じる点はまったくありません。
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マズア指揮NYPの、ライヴ録音によるドビュッシー・ラヴェル集に、サクソフォン・ソロのラプソディが収録されています。ラドノフスキの渋めのサクソフォンが、弦セクション主体のオケと微妙な対比で浮き出ていて、なかなかおもしろい音楽作りです。ジャケがモノクロなのも、演奏の渋さに合わせたから?! 渋い分、きらめく色彩感は乏しくおフレンチっぽくない演奏なので好みは分かれると思いますが、ドビュッシーの3曲はそれなりに説得力を感じるのに対して、ラヴェルの2曲は失敗に終わっているように感じました。ちなみに、ラプソディの演奏はラドノフスキのNYデビューということですので、それ以前に録音されたボレロのサクソフォンは別の人によるソロと思われます。