Wiener Saxophon-Quartett


1987年に設立された、オーストリアの団体。設立早々、オーストリア在住の作曲家に作品を委嘱し、すでに50を越す作品がこの団体のために書かれています。名前どおりウィーンを拠点に活動しており、同地のムジクフェランザールや、コンツェルトハウスをはじめ、アメリカやポーランドなどでもリサイタルを行ないました。1992年からは毎夏オーストリア国際クラシカル・サクソフォン・ワークショップを運営しています。

ソプラノのSusan FANCHERは1992年からVSQに参加していますが、それ以前はローリン・フォンズSQのメンバでした。また現在はアムハーストSQに参加しており、詳しくはそちらのページをご覧ください。

アルトのSabine ZWICKはオーストリア生まれで、クラリネットをアルフレッド・プリンツに師事しました。その後サクソフォンを手にし、ジャン=マリー・ロンデックスのワークショップを訪れています。VSQ以外にアンサンブル・コントラパンクト、オーストリア国営放送交響楽団などのメンバでもあり、テナーのショーン氏と共に Apoll-Edition という出版社を経営しています。

テナーのThomas SCHÖNはウィーンっ子で、最初クラリネットをルドルフ・イェッテルに師事し、在学中からウィーン国立歌劇場管弦楽団やウィーン・フォルクスオパー管弦楽団、オーストリア国営放送交響楽団などで演奏していました。サクソフォンを始めたのは1988年からで、アルトのズヴィク同様ロンデックスに学んでいます。

バリトンのMark ENGEBRETSONは1992年からVSQに参加しています。アンサンブル・コントラパンクト、オーストリア国営放送交響楽団などのメンバでもあり、またバリトン・サクソフォンのソリストとして数々の協奏曲(!)を演奏しています。ロンデックスをはじめ、フレデリック・ヘムケにも師事しています。

上記のメンバーは以下のアルバムの録音時点で、現在ソプラノは Michaela REINGRUBER、バリトンは Lars MLEKUSCH が担当しているようです。


主なアルバム


「Wiener Saxophon-Quartett (1)」

MG-Sound 5356405
1993/5 MG-Sound Sutudios, Vienna
  1. サクソフォン4重奏のための協奏曲 (D.ワーグナー)
  2. XAS (クセナキス)
  3. Four5 (ケージ)
  4. テル・ミー・ノー・モア・オブ・エンチャンテッド・デイズ (エンゲブレツォン)
  5. エモーショネン (ウルバナー)

いかにもこの団体ならではの選曲。現代的なムツカシイ曲ばかりですが、不思議と耳に不快に響かないのは、WSQの実力ならではでしょうか。XASなどではさらに肉食獣的なパワフルさを感じたかったところもありますが、Four5での音の上に時間を刻印したような演奏は特に興味深く聴きました。


「Wiener Saxophon-Quartett (2)」

Lotus Records Salzburg LR 9722CD
1995/8 MG-Sound Sutudios, Vienna
  1. ニューヨーク・カウンターポイント (ライヒ)
  2. アラリックTorU (ブライヤーズ)
  3. フローズン・ステート・オブ・ソング (L.リゲティ)
  4. デューク、不死と出会う (R.カール)

これも現代音楽を集めたアルバムですが、1作目よりはわかりやすい曲、といえるでしょうか。がなりたてる曲は少なく、この団体の長所と思われる醒めたサウンドが印象的です。アラリックIorIIではブライヤーズの音楽に特有の抒情性をわずかながら感じることができましたし、デューク、不死と出会うに内在するジャズの要素もほのかに表現されていて、好感を持ちました。なお、フローズン・ステート・オブ・ソングの作曲者L.リゲティは、有名なリゲティとは別人です。

オススメ度:


「Die Kunst der Fuge」

PC reocrds SD 10 249
  1. フーガの芸術 (バッハ)

この団体としては、意外な?プログラム。やはりバッハは現代音楽に通ずるところがあるのでしょうか。もちろんはじめから最後の未完のフーガまで、きわめて率直に、まじめに取り組んでいますが、何か物足りない気がするのです。技術的には破綻なく演奏されているのですが、、曲に対する愛着か、チャレンジ精神か、それとも、何か、、がちょっと足りないように感じるのです。ないものねだりなのかな?

「(Ordermade CD-R)」

この団体のウェブページには、50曲ほどのリストから、好みの組み合わせでCD-Rを作成してもらえるというユニークなシステムがあります。曲目はハイドンからピアソラ、グラズノフからデニソフまで、実に広い範囲にわたっており、WSQのレパートリの広さに驚かされます。私も数枚のCDをオーダしてみましたが、なかなかしっかり作られていて感心しました。肝心の演奏内容ですが、ジャンルによって向き不向きや出来のよしあしはあるようですが、それでも一定のレベルはクリアしており、この団体の懐の深さを感じました。

オススメ度:

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