saxofourte


1995年に結成された新しい団体。メンバも若く、ロンデックスミュンヘンSQのA.レグロス、G.プライズナーといった人たちに師事したようです。1997年にはヴェローナで行なわれた世界室内楽コンテストで第1位を受賞しました。最近ようやく活発になってきたドイツのサクソフォン界に新しい風を吹き込んでいます。またマイク・マウアー(イッチー・フィンガーSQのファンだそうで)やマイケル・ナイマン、ウィル・グレゴリーなどイギリスの作曲家とも繋がりが深く、今後の活動がいろいろな意味で期待できそうです。なお、ヤマハがスポンサーとなっているようで、全員ヤマハの楽器を使用しています。


Official Site(独語)


主なアルバム


「saxofourte」

BMG 74321 58061 2 (P)1998
  1. タンゴの歴史より ナイトクラブ1960 (ピアソラ)
  2. 3つのインプロヴィゼーション (ウッズ)
  3. 忘却 (ピアソラ)
  4. 「ポーギーとベス」セレクション (ガーシュウィン)
  5. ブッチャーの死 (ピアソラ)
  6. サクソフォン4重奏曲 (リーデ)
  7. タンゴの歴史より カフェ1930 (ピアソラ)
  8. 悪魔の説教 (グラハム)
Michael WEIGLER (bass) [d]
Tony TOONTOWN (trumpet) [b (solo)]
Jürgen SCHLACHTER (percussion) [e]

デビューアルバムはBMGのデュストリビュート、ということで、同レーベル初のクラシカル・サックスものではないでしょうか?。1曲目のナイトクラブ1960はテンポが早めで、やや雑なところもありますが音楽がぐいぐい流れていきます。これも若さのなせるワザか? SQによるこの曲の演奏の中でも出来のいい演奏といえるでしょう。3つのインプロヴィゼーションのアドリブではトランペット奏者をゲストにバリバリいわせますし、3楽章のエンディングもなかなか。あとの曲ではやや散漫さを感じたり、テンポが遅くなると間が持たなくなる傾向はありますが、ドイツのサクソフォン・アンサンブル団体で、今までになかったタイプとして今後に注目したいところです。

なおサクソフォルテの公式ページでサンプル音源を聴くことができます。

オススメ度:


「From Here To There」

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Catalyst/BMG Classics 74321 93866 2 (P)2002
  1. バディネリ (バッハ)
  2. ミロングェラ (ボルダ)
  3. 「ウェストサイド物語」メドレー (バーンスタイン)
    Jürgen SCHLACHTER (percussion)
  4. アダージョ〜アランフェスの協奏曲より (ロドリーゴ)
  5. サクソフォン4重奏曲第1番より 4楽章 (サンジュレ)
  6. トニーへの歌より 第1の歌・第4の歌 (ナイマン)
  7. ミロンガ・ピカレスク (ピアソラ)
  8. レオノーラの愛のテーマ (ピアソラ)
  9. リベルタンゴ (ピアソラ)
  10. ヒア・トゥ・ゼア〜映画「ピアノ・レッスン」より (ナイマン)
  11. ハイ・ライフ (グレゴリー)
    Jürgen SCHLACHTER (percussion)
  12. サクソフィフティ (マウアー)
    Joo KRAUS (trumpet)
  13. ホーダウン (グレゴリー)
    Joo KRAUS (trumpet) / Jürgen SCHLACHTER (percussion)
  14. モンク=トゥノ〜ニューヨーク組曲より (デ=リヴェラ)
    Jürgen SCHLACHTER, Jürgen SPITSCHKA (percussion)
  15. ドップラーズ・ホーンパイプ (グレゴリー)
  16. (ポーティスヘッド)
    Cordula WEGERER (vo) / Jürgen SCHLACHTER (bass)

セカンドアルバムは、この団体らしさがより前面に出た内容になっています。サンジュレからピアソラ、そしてイギリスのポップスバンドポーティスヘッドのカバーまで幅広いジャンルの曲をこなしています。曲によってはパーカッションやトランペット、ヴォーカルを入れてサウンドに変化があるのもこのアルバムの特色。冒頭のバディネリは、端正で元気な演奏の後、後半は崩して演奏していますが、これがなかなかカッコよくきまっていて爽快。どの曲も適度なテンションで楽しい演奏を繰り広げていますが、親交のあるナイマンウィル・グレゴリーの曲や、この団体のために書いてもらったというマウアーのサクソフィフティ(サクソフォルテ/Saxo-fortyに1人加わったから Saxofifty というタイトルなんだそうです)は、演奏者自らがエキサイトしているのが伝わってきて、思わず聴いている方までニコリとしてしまいました。

オススメ度:


「We Are Not Alone」

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Catalyst/BMG 82876 60878 2 (P)2004
  1. テクウェニ組曲 (ルー)
  2. 24時間 (ナイマン)
  3. 映画「ピアノ・レッスン」より (ナイマン)
  4. エッセンス・オブ・タンゴ (ボルダ)
  5. リトモ・デ・バイヨンガ (ボルダ)
  6. ミケランジェロ70 (ピアソラ)
  7. アディオス・ノニーノ (ピアソラ)
  8. (ピアソラ)
  9. 今朝 (マウアー)
  10. フランク・ザッパ組曲 (ザッパ)
    Joo KRAUS (trumpet)

サードアルバムもオリジナリティ溢れる内容。1作目から常に取り上げているピアソラのナンバーをはじめ、2作目でも取り上げているブラジルのギタリスト、ルイス・ボルダのナンバーや、フランク・ザッパの曲を組曲にしてしまったり(アルバムタイトルの「We are not alone」は組曲中の1曲)など、彼らの方向性がいっそう強く見えてきました。24時間は、ナイマンが映画?「ある女の24時間」で使ったモチーフをもとにしたサクソフォン4重奏のためのオリジナルの曲。なるほどナイマンの意を十分に汲んだ演奏で、説得力があります。ますます精力的に活動を行なっている様子が伝わってきます。

オススメ度:

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