タリン音楽院の学生だったメンバが1990年頃に「Sax Quatuori」という名前で活動をはじめ、2004年より現在の名前で活動しています。主にフランスとエストニアの作曲家のオリジナル作品、バロックから現代音楽までのクラシック作品をレパートリとしています。
ソプラノのリルは、最近参加したメンバで、1977年生まれの若手。エストニア音楽大学でオラヴィ・カセマー(タリンSQのソプラノ奏者)に師事しました。また、フィンランドのシベリウス音楽大学でペッカ・サヴィヨキにも学んでいます。室内楽やジャズなどさまざまなジャンルで活動し、ノーム子供音楽学校で教鞭をとっています。
アルト奏者で音楽監督でもあるのヴェルディは1969年の生まれ、タリン音楽大学とエストニア音楽大学でオラヴィ・カセマーに師事しました。また、フィンランドのシベリウス音楽大学でペッカ・サヴィヨキにも学んでいます。1996年にはエストニア若手奏者のコンクールで1位を得、エストニアやヨーロッパで広く活動しています。2001年からエストニア音楽大学で教鞭をとるほか、エストニアやフィンランドで後進の指導に当たっています。
テナーのセップは1971年の生まれ、エストニア音楽大学とフィンランドのシベリウス音楽大学で学んだ後、1993年から96年までロンドンのギルドホール音楽大学で学んでいます。エストニア内外で演奏活動を続けるほか、2003年よりG.Ots音楽学校で教鞭をとっています。
バリトンのソマーは1961年の生まれ、G.Ots音楽学校でクラリネットを専攻、その後足りん音楽院でサクソフォンをオラヴィ・カセマーに師事しました。現在はエストニア軍楽隊のコンサートマスターを務めるほか、クラシックからポップスまで幅広い演奏活動を繰り広げています。また、ノーム音楽学校で教鞭をとっています。
エストニアの女性作曲家マーギのオリジナル作品をはじめ、フランスのオーソドック名作品、最後にベートーヴェンのピアノ5重奏曲という、なかなかユニークな選曲のアルバムです。予想通り、マーギの作品に対する真摯な取り組みが一番印象に残りました。ただ、残念ながらこのアルバムからは、スカルラッティの愉悦感や、フランスもののきらびやかさが充分に伝わってきませんでした。一部、アンサンブルの乱れやアインザッツの不統一があったのも残念。かえって古典的な要素の強いサンジュレのほうが、彼らの長所をよく出せているようです。
彼らの演奏は、フランスの団体よりも、北欧の団体の演奏スタイルに似ているようです。複数のメンバがフィンランドで学んだ経歴も影響しているのでしょう。