1986年結成の、イタリアのサクソフォン4重奏団。メンバ全員イタリアの主要な音楽院の出身で、フィレンツェ祝祭管弦楽団、RAI交響楽団、トスカナ管弦楽団などでチョン・ミュンフン、ルチアーノ・ベリオ、セミョン・ビシュコフ、ズビン・メータといった指揮者と共演歴があります。レパートリはビゼーやオルフ(カルミナ・ブラーナがレパートリ!?)から、ケルティック・ダンスのナンバー、クルト・ヴァイルからイタリアの現代音楽までと幅広いとのことですが、言い方を変えると無節操なのかも知れません(失礼!)。1997年には、カステリダルドの第4回ピアソラ音楽賞を受賞しました。このアルバムのほか「"One Life to Live" Musiche di Kurt Well」をリリースしています。バリトン・サクソフォン奏者のフラティはアカデミア・アミアータ・アンサンブルのメンバとしてもCDをリリースしています。
以下のアルバムでお分かりのとおり、以前はペルージャSQの名前でCDリリースをしており、名称が変わったようです。
ペルージャ・サクソフォン4重奏団 (Quartetto di Sassofoni di Perugia) の名前でリリースされたアルバム。1曲目から、なんとも奇妙な響きの連続。つかみどころのない曲に、残響のない録音が追いうちをかけます。まあ、1曲目はノーム…って、妖怪のこと? そんなタイトルだからしかたがないにしても、最後まで聴き通すとかなりトリップしてしまうこと請け合い。うーむ、評価不能。
タイトルどおり古今のさまざまな曲を時代順に演奏したアルバム。ジャケットの顔たちも古今さまざま。選曲も比較的メジャーな曲からショスタコーヴィチの作品番号無しの曲までさまざまです。ガーシュウィンのメドレーはVisitという曲名になっていて、パリのアメリカ人の中間部から始まりますが、実質的にいろいろな曲のメドレーのためここではメドレーと表記しました。ピアソラが入っているのはご愛嬌かな。ただ、演奏は楽譜をそのまま音にしている範疇を大きく出ることなく、曲の様式感や躍動感・テンポ感、そしてそれらから感じられる時代性が十分伝わってこなかったのが残念です。
Nuova Era からのリリースは、ピアソラのタンゴ集。ピアソラ・ブームにのってでてきたのか、と思いながら買いましたが、どうやらそのとおりらしいですねぇ(溜息)。全体にアンサンブルが甘く、リズムがよたったりしていて、あまり感心しませんでした。ところどころ歌心は感じられますが、その歌が勝手な方向に行ってしまってるようです。全曲バリトン奏者のフラティによる編曲で、タンゴの歴史など耳慣れない響きのする個所もありますが、これはこれで楽しめました。