1994年にイギリスで結成された若いメンバによる団体です。結成当時メンバはギルドホール音楽学校でジョン・ハールに師事していました。それぞれのメンバはフリー奏者として、ロイヤル・フィル、ロイヤル・リヴァプール・フィル、ロンドン・ジャズ・オーケストラ、ナショナル・シアターなどの演奏活動に参加しています。以下でご紹介するアルバムでも傾向が伺えるとおり、他のイギリスのサクソフォン4重奏団と同様、伝統的なフランスの作品とは無縁で、主にイギリスの現代作曲家による作品をレパートリにしています。以下のアルバムの他Black Boxからリリースされているジョン・バックリー作品集に参加しています。
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Black Boxレーベルからリリースされた、おそらくデビューアルバム。どの曲も、技術的には文句なく仕上がっています。なかでもソングズ・フォー・トニーの冒頭で聴くことのできる躍動感は、他のイギリスの団体にはないものです。また、バッハの後に古典的な前奏曲−フーガという形式を用いた現代曲フェイスを持ってきて、その共通性を聴き手に認識を迫るなど、アルバムの構成面にセンスを感じます。残念なのは、録音のせいもあると思いますが、音色の面であまり魅力を感じないこと。しかし、イギリスのサクソフォンの層の厚さと元気のよさを感じさせるアルバムです。