1974年に、リーダの冨岡氏を中心に結成されました。日本のサクソフォン・アンサンブルのパイオニアといってよいでしょう。結成当初はアルトは宗貞氏でしたが1976年に留学のため退団、当時大学生であった池上氏が参加し、以来同じメンバで活動しています。1977年と1980年に民音のコンクールで第1位なしの第2位に入賞しており、以後リサイタル、録音など多彩な活動を行なっています。ここしばらくは活動回数が落ちていましたが、2000年に久しぶりで各地でコンサートを行ない、健在ぶりをアピールしました。
リーダの冨岡氏は1965年東京芸術大学に入学、1969年に卒業・故阪口新・故大室勇一の両氏に師事しました。38回毎日音楽コンクール管楽器部門第1位に入賞し、洗足学園大学助教授、東京芸術大学・作陽音楽大学・昭和音楽大学でも教鞭を取っています。また、オケのトラにもしばしば呼ばれており、神妙な顔つきで吹いている姿をN響アワーなどで見ることができます。日本サクソフォン協会の理事?でもあるエライ人です。
池上政人氏は1975年東京芸術大学に入学、1979年卒業、翌年同大学院へ入学、1982年に卒業、故阪口新・喜田賦の両氏に師事しました。第1回日本管打楽器コンクールに第3位入賞し、洗足学園魚津短大で教鞭を取っています。
仲田守氏は東京佼成ウィンド・オーケストラのメンバで、髭をたくわて楽器を吹く姿は、一度目にすると二度と忘れません(失礼)。また、管弦楽作品の吹奏楽編曲を手がけていて、一部は国立楽器から出版されています。1973年東京芸術大学に入学、1977年卒業・大学院へ入学、1979年に卒業、故阪口新・冨岡和男両氏に師事しました。
服部吉之氏については、デュオ服部のページをご覧ください。
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「管楽器のヴィルトゥオーソ・シリーズ」として、LP録音されたものからCD化された1枚。今までにCD化された邦人のサクソフォン演奏としては一番古いものではないでしょうか?小品が主体ですが、サクソフォン4重奏の響きの美しさを味わえます。よく言えば丁寧な演奏ですが、もう少し音楽が前に進んでほしいと思う場面もあります。その点、ボルツォーニのメヌエットやおばあさんの歌のような、ほどほどのテンポの曲が安心して聴くことができます。
オススメ度:
インディーズ盤とでもいうのでしょうか、しかし選曲は思い切り本格的なオリジナル曲ばかり。しかし、やや力量が追いついていない気がします。録音のせいもあるようですが、全体に音の処理が荒れぎみで、正直なところ聴き疲れしました。フランセやデザンクロは、後の EMI の録音の方がおすすめできます。
前のアルバムとまったく同じタイトルがついてますが、こちらは Musik Hafen からリリースされたもの。ソプラノの音楽の方向が他の3本とやや向きが異なるのがちょっと気になりますが、前作よりはかなりよい出来だと思います。特に、リュエフはなかなか聴きごたえがありました。一方、サンジュレは明らかなミスもあり、もうすこしヴィヴラートに頼らない柔らかな響きがほしかったです。
オリジナル曲集と同時にリリースされた編曲ものアルバムですが、冒頭のソナタからアンサンブルの乱れがあり、聴く気がそれてしまうのが残念。このアルバムの中では、各パートの技量が試されるメンデルスゾーンが一番楽しめました。同じ中村氏の編曲に寄るベルガマスク組曲はアルモSQによる演奏と聴きくらべてみると、団体の個性の違いが明確で興味深いです。