この団体のプロフィールについては不明です。すみません。おそらくルクセンブルグで活動しているようです。常に活動している団体かどうかは不明です。ソプラノのクリスチャン・デベクはディナンSQでもソプラノを担当しています。また、アルトのガイ・ゴーサルスはルクセンブルグSQでソプラノを担当しています。
Les Sax de SAXというアルバムタイトルは、アドルフ・サックスの製作のサクソフォンによる演奏、という意味のようで、ソプラノは1860年、アルト・テナー・バリトンは1878年製の楽器を使っています。ピアノも1870年エラール製、という徹底ぶり。そのせいか、このCDから聞こえてくる音色は、現代の楽器が華々しさに比べて素朴といえばよいのか、よりストレートかつソフトに響きます。プログラムも19世紀後半の曲で構成されていて、最初にソプラノとアルトのデュオ、以下ソプラノ+ピアノ、アルトとピアノ、テナーとピアノ、バリトンとピアノ、最後に4重奏と考えられたもの。曲そのものの完成度や、演奏技術面では必ずしも満足いかないものもありますが(楽器自身の性能や状態に起因するところも大きいと思いますが)、よく演奏される4重奏でもずいぶん聴きなれない音が聞こえてきますし、19世紀当時の音を再現した音色やや楽譜の考証は一聴に値するでしょう。
なお、アルトのゴーサルスはルクセンブルグSQとしても4重奏曲を録音しており、比較するとほぼ同じアプローチをとっていることがわかります。
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