Pindakaas Saxophone Quartett


ドイツで活動する若手のサクソフォン4重奏団。メンバは1956年〜1969年の生まれ、まだまだ若い団体です。ドイツの Unna で行われたサクソフォン室内楽コンテストで、Kulturepreis 1996 を受賞しました。1999年にはモスクワ大学で行なわれた国際サクソフォン・フェスティヴァルにも招かれています。レパートリの大部分はポピュラー系の曲のようです。以下でご紹介したアルバム以外に、子象の行進からビートルズ、B.B.キングまで収めた、3枚のCDをリリースしています(うち1枚は Sold Out)。なお、パーソネルによれば、メンバはフルート、クラリネットなどの持ち替えもするようです。

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主なアルバム


「VOYAGE PINDAKAAS SAXOPHON QUARTETT

FONO2000 FCD 2001
1996/10
  1. 4声のカンツォーネ (ガブリエリ)
  2. 前奏曲とフーガ第3番 (バッハ)
  3. エイジンコート・ソング (イギリス民謡)
  4. 2つの小品 (アルベニス)
  5. 中国風ラグ (マティータ)
  6. ジムノペディ第1番 (サティ)
  7. チルドレンズ・ソングより (コリア)
  8. 大砲の歌、ユーカリの歌〜リトル・スリーペニー・ミュージックより (ヴァイル)
  9. ソナティナ ハ長調 (カバレフスキー)
  10. リベルタンゴ (ピアソラ)
  11. アレマンデ (ジェンキンス)
  12. 幻想曲 (ジェンキンス)
  13. 対位法第1番〜フーガの技法より (バッハ)
  14. ロンド〜組曲より (バルソミュー)
  15. ヒースの中の女王 (スコットランド民謡)

小品ばかり集めたアルバム。タイトルの VOYAGE は、物理的な空間ではなく時空−6世紀の間の−の旅、を意味しています。ミュールの編曲によるアルベニスの2つの小品は、愛らしい曲なのに録音が他になく、貴重。また中国風ラグはドゥラングル監修のシリーズとして出版されている楽譜の一つで、あまり中国っぽくない気もしますがアマチュアが取り組むにもおもしろい小品です。他にもカバレフスキーバルソミューなどユニークな選曲が揃っているのですが、肝心の演奏のほうが今一ついただけません。アゴーギグがあまり感じられず表情が金太郎飴的で、音程の不安定もあって生理的に聴き疲れしました。また、編曲やテンポ設定も気になる点が少なくなくチルドレンズ・ソングからは生命感が感じられませんしリベルタンゴからはパッションが消え去ってしまったのが残念です。もしかしたらライヴになると豹変するのかな?

ところでジムノペディでは、どうもメロディラインがフルートの音色のようです。あれ、変だな、とよくよくブックレットを見ると、ソプラノ奏者のランゲルが持ち替えをしているようです。

ドイツでも若手団体が地道にがんばっていることを伝えるアルバムで、今後に期待をしたいです。

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