Netherland Saxophone Quartet


1969年に結成された4重奏団。レパートリーは古典から現代まで幅広いですが、特に現代音楽を積極的に委嘱・演奏しています。1980年にはヨハン・ワーグナー賞を受賞、1988年には東京で行なわれたワールド・サクソフォン・コングレスにも参加しています。ソプラノのファン・オーストロームは1942年生まれでハーグ王立大学院でクラリネットとサクソフォンを専攻し、今も王立大学院で後進の指導にあたる傍ら演奏活動を続けています。アルトのボガードはスウェリンク音楽院の教授でもあり、ワールド・サクソフォン・オーケストラの指導者でもあります。



主なアルバム


「LICKS & BRAINS」

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Donemus Composers Voice CVCD 13
1988/11/4 Royal Concervatory's Schönberg-zaal, Hague (solo)
1988/9/10-11 Royal Concervatory's Schönberg-zaal, Hague (part I & II)
  1. リックス&ブレインズ3章 (トルステンソン)

1951年スウェーデン生まれの作曲家クラス・トルステンソンの大作。3部構成になっていて、1部はバス・サクソフォンによる「ソロ」(演奏はファン=オーストローム)、2部はサクソフォン4重奏による「Licks & Brains I」、3部はサクソフォン4重奏とラージ・アンサンブルによる「Licks & Brains II」となっています。全3部で58分近くかかります。メロディらしき音はなく、例えば1章ではバス・サクソフォンのスラップ・タンギングや特殊奏法が多用されていて、音「楽」というより音「響」というべきかもしれません。解説に楽譜の一部が載っていますが、理解不能でした(笑) しかし、響きはけして暴力的でなく、新鮮に聴こえました。

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「Otto Ketting」

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Donemus Composers Voice CV 21
  1. タイムマシン (ケッティング)
    Edo De=WAART 指揮 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
  2. 月明かりの夜 (ケッティング)
    Abbie De=QUANT (flute) / Otto KETTING 指揮 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
  3. サクソフォン4重奏と管弦楽のための交響曲 (ケッティング)
    Netherland Saxophone QuartetBernard HAITINK 指揮 コンセルトヘボウ管弦楽団
  4. モニュメンタム (ケッティング)
    Otto KETTING 指揮 ロッテルダム音楽院アンサンブル

上のアルバム同様、Donemus の Composers Voices シリーズの一枚。1935年アムステルダム生まれの作曲家オット・ケッティングの作品は、どれも管楽器が主役にたち、ソリスティックに響くところは少なく、各楽器群のアンサンブルによる音の塊が迫ってきます。収録曲のうちタイムマシンは比較的演奏機会があり、ボストン交響楽団やフィラデルフィア交響楽団、ミネソタ交響楽団でとりあげられたようです。このCDに収録されているのは、エド・デ・ワールトの指揮によるもの。原色の絵の具をキャンバスにぶちまけたような音の響きがします。サクソフォン4重奏が主役となる交響曲は、ハイティンクの指揮による演奏。メロディらしいメロディはなく、サクソフォン群、金管群、弦楽器群、パーカッションがそれぞれアンサンブル単位で自己主張をし、なかなか賑々しい曲。こういう曲は生の演奏で音の洪水に溺れて聴いてみたいものです。

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「ENDLESS SUMMER WORKS OF SUGURU TANINAKA

ALM Records(コジマ録音) ALCD-3013
  1. GRAPH T (谷中優)
    パーカッショングループ72
  2. Endless Summer U (谷中優)
    Netherland Saxophone Quartet
  3. Endless Summer V (谷中優)
    パーカッショングループ72

もともとLPでリリースされていたものが、2003年にCDとして復活しました。谷中優氏の名前は、個人的には教育者としてのイメージが強いのですが、ここで聴くことのできる音楽は偶発的・実験的な要素が強いもので、一聴して"楽しめる"ものではありませんが、解説を読む限り非常に知的な音楽であるようです(すみません、充分理解できてません)。むしろ、断片的ではありますがGRAPHTの冒頭で響く金属製のパーカッションの精緻な響きにハッとしました。、パーカッションという「音程」を排して音色とリズムだけで繰り広げられる世界は、ある意味で非常に多弁であるとも感じました。しかし、こんなところでオランダ・サクソフォン4重奏団の名前を見るとは、、。パーカッションによる演奏に挟まれたサクソフォンの曲は「音程」の概念がいかに刺激的か、あらためて考えさせる曲/演奏でした

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